2017年5月18日(木)
核兵器禁止国連会議の報告会
署名のうねりつくり 来月の条約交渉会議へ
被爆者ら決意
3月に国連本部で開かれた核兵器禁止条約交渉会議(第1会期)の報告と、6〜7月の第2会期など核兵器廃絶への歩みを展望する集会が16日夜、東京都内でありました。交渉会議冒頭に被爆者として発言した、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の藤森俊希事務局次長(73)は「条約をつくる交渉会議(第2会期)最終盤の7月にもニューヨークに行きます。被爆者が条約締結の瞬間に立ち会うことが大事です」と決意表明しました。
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藤森さんは、核兵器を禁止する条約の交渉会議が国連で開かれようとは「1年前には想像もできなかったことです」と興奮を隠しません。「総会議場で各国代表を前に発言することも、夢にも思わなかった」といいました。
交渉会議のエレン・ホワイト議長(コスタリカ大使)から「6〜7月の交渉会議では、たくさんの『ヒバクシャ国際署名』を持ってきてほしい」と要望されたことについて、「被爆者の思いを励ますものです。署名そのものがつくる力を、議長は敏感に感じたのだと思います」と述べました。
日本政府の態度をどう思うかとの質問に、「交渉会議不参加は許し難い。日本政府は米国の核の力に依存する姿勢を変えていない。私たち市民社会が政府の姿勢を変えないといけません」と答えました。
ピースボートの川崎哲共同代表は「ヒバクシャ国際署名や核兵器禁止条約に関する国会での議論を促すよう運動していこう」と述べました。
原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の土田弥生事務局次長は「6月からの交渉会議に向け、日本原水協としても署名のうねりをつくり、会議開始に合わせて全国で活動する」と発言しました。
ニューヨークでは6月17日に、トランプ米政権に反対する各分野の人たちを巻き込んだ女性行進が計画されています。ここにホワイト議長を呼び、被爆者が署名を手渡すことなどを考えていると述べました。
6月15日から始まる交渉会議に合わせて渡米する被爆者の一人、日本被団協の和田征子事務局次長(73)は「国連で発言の場が与えられれば、核兵器の非人道性を訴えたい。女性行進までに署名をたくさん集めたい」と意気込み、核保有国も巻き込んで核兵器の禁止・廃絶の歩みを進める決意を語りました。
集会は、ヒバクシャ国際署名連絡会と核兵器廃絶日本NGO連絡会が共催しました。