「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017年6月2日(金)

「パリ協定」履行協力強化

EU・中国 共同声明発表へ

米撤退に対抗 低炭素社会を主導

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 欧州連合(EU)と中国は、地球温暖化対策の国際条約「パリ協定」を着実に履行し、再生可能エネルギーの活用を通じた低炭素社会の実現へ協力を強めることを確認した共同声明をまとめました。1、2の両日にブリュッセルで開かれるEU・中国首脳会議で発表します。欧米メディアが1日、一斉に伝えました。(島田峰隆)


 地球温暖化に懐疑的なトランプ米政権は1日にも「パリ協定」からの離脱を表明する可能性があると伝えられます。英紙フィナンシャル・タイムズ1日付は、EU・中国の共同声明について「気候変動とたたかい、国際的な取り組みからのトランプ政権によるいかなる撤退にも対抗する環境保護の同盟を結成した」と伝えています。

 共同声明は、気候変動について「国家安全保障の問題」だとし、「社会的、政治的な弱さを増幅させる要因」になっていると指摘。「パリ協定」については「歴史的な到達点であり、もう後戻りはできない協定だ」と強調しています。

 また「パリ協定」の履行に「最も強い政治的な責務」をもって取り組むとし、すべての国に同協定への協力を呼び掛けました。

 共同声明は低炭素社会に向けて、「エネルギー転換を主導する」決意を示しています。今世紀半ばまでの温室効果ガス削減の新たな目標設定、石炭火力発電の削減、再生可能エネルギーの活用強化、エネルギー効率の向上、温室効果ガス排出量の少ない輸送などで協力を強めるとしています。

 EUの行政府にあたる欧州委員会のアリアスカニェテ委員(気候変動・エネルギー担当)は5月31日、英紙ガーディアン(電子版)に、地球温暖化対策から「誰一人として置き去りにされるべきではない」と語り、米国の動きに暗に懸念を表明。「EUと中国は前に進むことを決めた。今こそ両者の絆を強めて、地球規模の意欲的な取り組みを推進し続けるときだ」と述べました。

 ロイター通信によると、中国の駐EU大使は1日、「中国とEUは『パリ協定』を断固として順守する」と述べました。


 パリ協定 京都議定書に代わる2020年以降の地球温暖化対策の国際条約。2015年12月にパリで開かれた国際会議で合意、昨年11月に発効しました。先進国、途上国を問わず、すべての国が参加します。▽産業革命(1850年ごろ)前からの気温上昇幅を2度未満とし、1・5度未満に抑える努力をする▽今世紀後半に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする―などが内容です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって