2017年6月18日(日)
農業共済 役割大きい
災害補償法 参考人から疑問の声
改定農業災害補償法について衆院農林水産委員会は6日、参院農林水産委員会は13日にそれぞれ参考人質疑を行いました。
衆院委で全国農業共済協会の高橋博会長は、農業者の過去5年間の平均収入を基準とし、当年の収入がその9割を下回った場合、差額の9割を補てんする収入保険制度の実施について「時間的に余裕がない」と述べました。
東京大学の鈴木宣弘教授は「収入保険の加入範囲が限定されると、米麦では当然加入であった農業共済が収入保険との選択制になる」と述べ、収入保険からも災害補償の農業共済からも抜ける「無保険農家」が増加しかねないと指摘しました。
日本共産党の斉藤和子議員は、収入保険制度が青色申告者限定であることについて質問。鈴木氏は「一つの選択肢が増えたとしても、入れる人が限定されるのでは意味がない」と述べました。
参院委で農民運動北海道連合会の山川秀正委員長は「畑作農家が多い十勝や北見綱走地域で試算したところ、収入保険制度より農業共済制度とナラシ対策がよかった」と述べるとともに、掛け金が増え補てんが減れば安心できる制度にならないと述べました。
日本共産党の紙智子議員は、農業共済制度の役割、農業制度の見直しについて聞きました。山川氏は「自然災害は間違いなくやってくる。そういう状況の中で共済制度が果たしてきた役割は大きい」と述べ、共済の当然加入制度などの現行制度を後退させないでほしいと訴えました。