2017年6月18日(日)
酪農家の所得下がる
紙氏 改定畜産経営安定法を批判
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日本共産党の紙智子議員は6日の参院農林水産委員会で、改定畜産経営安定法(9日成立)によって酪農家の所得が低下する問題を追及しました。
紙氏は、乳業メーカーによる集乳合戦や生産者側の交渉力不足で乳価や生産者の所得が安定しない状態を打開するために考え出されたのが農協など指定生乳生産者団体(指定団体)による一元集荷・多元販売だったと指摘。こうした農協の機能を強めてきた「加工原料生産者補給金等暫定措置法」を今回の改定で廃止し、畜安法に統合すれば生産者所得があがるのかと追及しました。山本有二農水相は「消費者のニーズをつかみ新しい市場が出来れば、所得向上の機会が生まれる」と述べるだけでした。
政府質疑後に行われた参考人質疑でも、改定案に「指定団体が崩壊する」(農民運動北海道連合会の石沢元勝副委員長)との批判が相次ぎました。
改定法によって指定団体に新規参入を促し、酪農家の生乳販売の選択肢が増えれば生産所得が増えるとの政府の説明について、石沢氏は「一部の人の所得は増えるけれど、他の人は減ることになる。酪農家の収入や所得が増えることにはならない」「地域コミュニティーにとっても非常によくないことになる」と訴えました。
日本大学の小林信一教授も「現在でも格段の力の差があるメーカーや量販店の優越的な地位がさらに強まり、生産者が不利な立場に追いやられ、生産基盤が弱体化する」とし、廃案にするよう求めました。