2017年6月29日(木)
賃金減額撤回で和解
日本IBM 差額・遅延損害も支払い
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日本IBMに10〜15%もの賃金減額を撤回するよう求めた裁判の第2次訴訟は28日、東京地裁で和解が成立しました。原告となったJMITU(日本金属製造情報通信労働組合)組合員17人の賃金が減額前に戻され、過去の差額賃金と遅延損害金も支払われます。
同社は、2013年から相対評価の下位15%とした従業員の賃金を年間10〜15%減額。複数回の減額を受け、新卒初任給以下とされた人もいました。
JMITU組合員9人が提訴した第1次裁判では15年11月、会社が原告請求を全面的に受け入れ、「請求認諾」しました。ところが、会社は過去の差額賃金を支払っただけで、認諾以降も減額されたままの賃金を出しました。このため組合側は16年2月、原告を増やして第2次提訴を行いました。
厚労省で会見したJMITUの生熊茂実委員長は「成果主義だからといって一方的に賃金を下げられないことを示すことができ、大きな意義がある」と指摘しました。
石原隆行原告団長は「過去の差額支払いだけでなく、これからの賃金を元に戻せて、喜ばしい。今後は賃金減額ができる内容の就業規則を改めさせたい」と強調。大岡義久支部委員長は「賃金減額の被害者は数千人いる」として、裁判結果に社内の注目が高いことを指摘しました。
同社では、解雇通告とともに会社から閉め出す「ロックアウト解雇」の撤回裁判も行われており、原告11人中5人と和解し、3人が職場復帰しています。