2017年7月2日(日)
加計疑惑 下村元文科相関連団体「博友会」
届出住所に事務所なし
代金200万円の受け渡し場所はどこ?
学校法人「加計(かけ)学園」の秘書室長(当時)が当時、文科相だった下村博文自民党都連会長の政治資金パーティーの代金200万円をあっせんした問題で、パーティーを開いた政治団体「博友会」が都選管に届け出た住所に事務所がないことが1日、本紙の取材でわかりました。あっせんをめぐる疑問は深まるばかりです。(矢野昌弘)
|
政治団体「博友会」は、2012年3月からJR中野駅そばの雑居ビル4階を「主たる事務所の所在地」として東京都選挙管理委員会に届けています。同会は毎年、多額の寄付を下村氏の自民党支部などにしています。
ところが、本紙が1日にこのビルの4階に行ってみると、「博友会」の事務所はなく、算数教室と学習塾運営会社があるだけ。運営会社の社長は、「博友会」の代表と同一人物です。
「博友会」の郵便受けや表札など、同会の事務所だと示すものは何もありません。
ビル4階の塾運営会社の職員は「社長が不在なので、職員ではわからない」とした上で、「(『博友会』を訪ねる人や郵便物を)まずみたことがない。博友会が事務所を間借りしてもいない。ここでの活動実態はない」といいます。
ところが、6月29日の釈明会見で下村氏は「加計学園の(当時の)秘書室長が事務所を来訪」し、代金を渡したと説明しています。いったい、どこで代金の受け渡しがあったのか説明が求められます。
また、会見で下村氏は秘書室長が「個人および企業あわせて11名から預かってきた現金を持参した」としています。
秘書室長が渡した代金は計200万円なので、パーティー券1枚が2万円とすると100枚分となります。
ところが、購入したのは個人や企業11者にすぎません。いずれも20万円以下だったといいます。1者がパーティー券を何枚も購入したことになります。
しかも「博友会」の政治資金パーティーは、東京都港区のプリンスホテルで行われています。本拠地が岡山県内にある加計学園の関係者が、実際に参加する目的で多数のパーティー券を購入したのか、疑問が残ります。
第一生命による政界工作をめぐる株主代表訴訟の東京高裁判決では、出席を予定しない人数分のパーティー券購入代金を支払うことは「寄付にあたる」と判断しています。「博友会」のパーティー券購入も、実態は寄付だった疑いがあります。
疑惑否定のために会見をひらいた下村氏。その説明によって、加計学園との親密さと疑惑がより深まるものとなっています。
|