2017年7月24日(月)
核兵器禁止条約 賛成した122カ国
非核地帯を中心に国連加盟国の3分の2
国連本部(米・ニューヨーク)の国連会議で7日、核兵器禁止条約が122カ国の賛成で採択されました。国連加盟国(現在193カ国)の3分の2近くに及び、東南アジアや中東、中南米、アフリカ地域が中心でした。いずれも非核兵器地帯が設立されているか、設立に向けての構想が進んでいる諸国です。
東南アジア諸国連合(ASEAN)は、条約採択に「棄権」したシンガポール以外の9カ国すべてが条約に賛成しました。加盟国のひとつで憲法に非核を掲げるフィリピンは、国連会議の第2会期(6月15日〜7月7日)前の5月10日に、国会の上院議会で「核兵器の禁止および廃絶を目指す運動を全面的に支援する」とした決議を採択しています。
中南米では9割にのぼる国が条約に賛成。メキシコを中心に世界初の非核兵器地帯条約(トラテロルコ条約)を発効した地域としても、今回の条約成立でイニシアチブを発揮しました。
欧州では、北大西洋条約機構(NATO)に加盟するほとんどの国が核兵器保持に固執する米国の圧力のもとで会議に参加しませんでした。唯一参加したオランダは条約に反対。NATO非加盟のスイスとスウェーデンなど数カ国は賛成しました。
約40カ国にのぼる核保有国や軍事同盟諸国の政府は同会議に参加せず、場外から批判していました。しかし、米国やフランスなどの核保有国からも非政府組織(NGO)などが市民社会を代表する立場で同会議に参加し、条約の議論に貢献しました。
条約への各国の態度
賛成 122カ国
【アジア】 バングラデシュ ブータン ブルネイ カンボジア インドネシア カザフスタン ラオス マレーシア モンゴル ミャンマー ネパール フィリピン スリランカ タイ ベトナム 東ティモール
【太平洋】 フィジー キリバス マーシャル諸島 ニュージーランド パラオ パプアニューギニア サモア ソロモン諸島 トンガ バヌアツ
【中東】 アフガニスタン アゼルバイジャン バーレーン イラン イラク ヨルダン クウェート レバノン オマーン カタール サウジアラビア アラブ首長国連邦 イエメン パレスチナ
【中米・カリブ海】 アンティグア・バーブーダ バハマ ベリーズ コスタリカ キューバ ドミニカ共和国 エルサルバドル グレナダ グアテマラ ハイチ ホンジュラス ジャマイカ メキシコ セントクリストファー・ネビス セントルシア セントビンセント・グレナディーン トリニダード・トバゴ パナマ
【アフリカ】 アルジェリア アンゴラ ベナン ボツワナ ブルキナファソ ブルンジ カボベルデ チャド コンゴ共和国 コートジボワール コンゴ民主共和国 ジブチ エジプト 赤道ギニア エリトリア エチオピア ガボン ガンビア ガーナ ギニアビサウ ケニア レソト リベリア マダガスカル マラウイ モーリタニア モーリシャス モロッコ モザンビーク ナミビア ナイジェリア サントメ・プリンシペ セーシェル シエラレオネ 南アフリカ共和国 スーダン トーゴ チュニジア ウガンダ タンザニア セネガル ジンバブエ
【南米】 アルゼンチン ブラジル チリ コロンビア エクアドル ガイアナ パラグアイ ペルー スリナム ウルグアイ ベネズエラ ボリビア
【欧州】 オーストリア キプロス バチカン アイルランド リヒテンシュタイン マルタ サンマリノ スウェーデン スイス モルドバ
反対 1カ国 オランダ
棄権 1カ国 シンガポール
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