「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017年7月27日(木)

最賃引き上げ 中賃審が目安

地域間格差も拡大 全国一律制こそ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 今年の最低賃金をめぐる審議で焦点になったのが、人間らしく生活するうえで最低賃金はどういう水準であるべきかでした。

 昨年より引き上げ幅は増えたものの、加重平均25円引き上げでは、人間らしい生活を実現するには、程遠い水準といわざるを得ません。

 全労連の加盟労組が取り組んだ最低生計費調査では、全国どこでも時給1400〜1500円の賃金が必要です。加重平均848円でも、年収は180万円に届きません。年収200万円のワーキングプアが1130万人(国税庁、民間給与実態統計調査)に達しているもとで、大幅引き上げこそ求められます。

 現在、消費支出が低迷し、昨年2月の「うるう年効果」を除くと、マイナスは21カ月連続です。最賃大幅引き上げは、長引く消費減退と景気の低迷から脱し、日本経済の成長を図るうえでも大きな推進力になります。

 もう一つの大きな課題が、地域間格差の拡大です。中央最低賃金審議会目安小委員会で労働者側は、「今後3年以内に全都道府県で最低800円超」にするよう要求しましたが、使用者側は背を向けました。今年の答申で最高の東京と、最低の宮崎・沖縄両県の格差は222円へとさらに拡大しました。A〜Dの4ランクのうち、Dランクの目安額では年収が155万円前後。東京の年収202万円強から47万円前後の格差になります。

 広がり続ける地域間格差が、地方から都市部に人口が流出する一因になっています。

 地域間格差を縮小させ、全国一律制を実現してこそ、全国どの地域でも若い世代が安心して生活し、地域を存続させることができます。

 各地の最低賃金は、これから始まる各都道府県の地方最低賃金審議会で決定します。大幅引き上げを求める運動を広げることが求められています。

 (行沢寛史)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって