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2017年7月30日(日)

主張

「働き方改革」

「残業代ゼロ制度」は撤回を

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 安倍晋三政権が秋の臨時国会で成立を狙う「残業代ゼロ」法案の修正をめぐって、連合は27日の中央執行委員会で「残業代ゼロ制度」の容認を撤回しました。執行部の一部修正の方針に対して、連合内部からの批判に加え広範な労働組合と市民団体から強い批判が相次いだためです。「残業代ゼロ」法案は撤回しかない―。これが労働者・国民の声であることが改めて浮き彫りになりました。

日本の労働法制を覆す

 法案の「高度プロフェッショナル制度」(「残業代ゼロ制度」)の最大の問題は、労働時間規制を完全になくすことにあり、文字通り日本の労働法制を根幹から覆すものです。日本共産党は「(残業時間は週15時間、月45時間までとする等)大臣告示も守らず、過労死ラインを超える長時間労働をすすめる大企業に、こんな法律をあたえるなら、いよいよ長時間労働に歯止めがきかなくなる」(2015年2月、志位和夫委員長の衆院予算委員会)と一貫して追及、撤回を求めてきました。

 「残業代ゼロ制度」を導入しようとする政府の主張には、いくつもごまかしがあります。

 一つは、年収1075万円という高収入に限定するという点です。経団連は「年収400万円以上」を提言しています。塩崎恭久厚生労働相も「小さく生んで大きく育てる」と明言しています。年収要件は法案に明記されていません。いったん導入されたなら、どんどん対象が広がります。

 二つは、時間でなく成果で評価されるという点です。これは法案に書かれていませんが、成果主義賃金を導入した職場では、長時間労働がまん延しています。労働者は、成果をだすために、時間と体力の限界を超えて働かざるを得ない立場に追いやられます。そのうえ、労働時間規制をはずせば、際限のない労働に追い立てられることになります。

 三つは、「健康確保措置」をとるという点です。「年104日以上の休日」をあたえて「健康確保」するといいます。しかし、104日の休日で休めるのは週2日だけです。お盆も正月もゴールデンウイークも有給休暇もありません。年261日は、無制限の長時間労働をおしつけられます。

 こんな制度が導入されたなら、過労死が激増するのは火を見るよりも明らかです。だからこそ、広範な労働組合、市民団体が強く反対してきました。この2年間、政府が国会に法案を提出したものの審議できなかったのは、それだけ反対の声が強いからです。

 日本共産党は「残業代ゼロ」法案撤回とともに長時間労働と過労死をなくすための緊急提案を発表(3月)、実現に向け各団体と懇談してきました。残業上限規制に例外を設けず、週15時間、月45時間、年360時間とする大臣告示の法定化とともに、勤務から次の勤務までの間に連続11時間の休息時間を設けること、長時間労働の温床となっている裁量労働制等の規制強化などが共産党の提案です。

国会内外の国民的運動を

 共産党、民進党、自由党、社民党は、長時間労働を規制する法案を国会に共同で提出しています。労働者・市民と野党との共同の力で、「残業代ゼロ」法案を撤回させ、長時間労働規制の法改正を実現しましょう。


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