2017年9月5日(火)
「医師の働き方改善早く」 過労死遺族らが訴え
|
全国医師ユニオンや過労死弁護団全国連絡会議、東京過労死を考える家族の会は4日、過労死が相次ぐ医師の速やかな働き方改善を求める共同声明を発表し、厚生労働省で記者会見しました。
声明は、安倍政権の「働き方改革」が、過労死ラインの残業を容認し、医師への規制を5年後に先送りしていることをあげ、医師の命と健康を脅かし、医療事故の原因となると指摘。人の命に直接かかわる医師は過度の緊張を強いられ、健康障害に陥りやすく、医師の健康障害は医療の質の低下や安全を脅かし、患者にも悪影響を及ぼすとしています。
労働条件改善のため、労働基準法の徹底▽使用者の労働時間管理の適正化▽研修医の労働を労働時間に算入しない実態を改め、処遇の改善▽過労死ラインを超える長時間労働の改善▽健康管理の実施―を求めています。
過労死弁護団の川人博幹事長は、医師の労災認定の調査分析をもとに改善策を講じる必要性を強調。医師に診療を課す「応召義務」が過重労働を助長している側面があるとして見直しを訴えました。
小児科医の夫を過労死で亡くした、東京過労死を考える家族の会の中原のり子代表は、医師の多くが精神を病んで自死している実態を指摘し、将来に展望を持てる働き方の改革を強調。全国医師ユニオンの植山直人代表は、長時間労働の背景にある医師不足を指摘、医師の増員を訴えました。