2017年9月5日(火)
岡山短大の差別解消して
視覚障害のある准教授が会見
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岡山短期大学(岡山県倉敷市)の山口雪子准教授(52)が視覚障害を理由にした事務職への配転命令の無効確認などを求めた裁判に関し、山口さんと支援者らは4日、文部科学省で会見し、障害者の社会参加促進を訴えました。会見に先立ち山口さんらは、同省に5300人余りの署名を提出し、大学・短期大学での障害者差別解消法に基づく運営の促進などを求めました。
同裁判をめぐっては、研究室から退去させ事務をさせる命令に山口さんが従う必要はないとし短大側に110万円の支払いを命じた岡山地裁判決を不服として、同短大は広島高裁岡山支部に控訴しました。
山口さんは「教壇復帰という個人的な問題だけでなく、共生社会を実現する一助として今回の問題をとらえている」と強調。幼児教育・保育を教える現場で障害者差別・排除があることは「残念で情けない」と話しました。
弁護団の一人で自身も視覚障害がある大胡田誠弁護士は、同省への要請を受けた担当者が、同省がインクルーシブ教育を重視しており、高裁判決後はその内容を踏まえた対応をすると応じたとして評価しました。
昨年4月に施行された障害者差別解消法は、障害を理由として、正当な理由なしに障害者に条件をつけたり制限したりすることを禁止しています。また、自治体や事業者に対し、障害者が障害のない人と同様のことができるよう合理的配慮の提供を求めています。