2017年9月9日(土)
過労死ライン容認・残業代ゼロ
厚労省 「働き方改革」法案要綱諮問
厚生労働省は8日、残業時間を過労死ラインの月100時間まで容認することなどを盛り込んだ「働き方改革推進法」の法案要綱を、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に諮問しました。労働組合や野党が「残業代ゼロ」法案と批判する新制度も取り込んでおり、労働法制の大改悪を進める内容です。
法案は、労働基準法やパートタイム労働法など計8本を一括改定。「働き方改革」の理念を掲げるため、雇用対策法を衣替えして、基本法として据えます。
労基法改定案は、残業時間の上限について「月100時間未満」「2〜6カ月平均80時間以内」とし、過労死ラインの残業を容認。
一定収入の専門職を時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)や、一定時間以上は労働時間と認めず、残業代も払われない「裁量労働制」の対象拡大を盛り込み、長時間労働に拍車をかける内容です。
高プロと裁量労働拡大は反対世論に押されて2年余も審議入りできなかったもので、廃案にすべきものです。
高プロについて「年間104日以上の休日義務化」を盛り込む修正を加えました。これは週休2日になっても、あとは24時間、夏休みも冬休みもなく働かせることが可能で、歯止めにならないものです。
安倍内閣は、今月下旬召集の臨時国会に法案提出をねらっています。