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2017年9月14日(木)

労働法改悪反対40万人デモ

「反対するのはなまけもの」 大統領発言に怒り

フランス

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 【パリ=伊藤寿庸】マクロン仏大統領が進める労働法改悪に反対して労働組合が呼びかけたデモ・ストが全国で12日行われ、仏労働総同盟(CGT)の発表で40万人が参加しました。この日の行動は、5月のマクロン大統領就任以来、初めての大規模な抗議行動。パリでは、バスチーユ広場からイタリア広場まで約2・6キロのコースを約6万人が行進しました。


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(写真)12日、マクロン政権による労働法改悪に反対してパリ市内をデモ行進する人々(伊藤寿庸撮影)

 CGTとともに「連帯」系、教員組合、学生組合、さらに本部が不参加を決めた「労働者の力」(FO)の下部組織も合流しました。

 マクロン政権は、労使関係で企業の力を強め、組合による労働者の保護を弱め、不当解雇に対する労働者の賠償金を大幅に削減し、短期雇用を拡大する措置を盛り込んだ労働法改悪を計画。改定案の国会審議を回避し、短期間で立法化するために、国会での与党の圧倒的多数を使って、政府に「布告」による立法化を一任する「授権法」を7月に可決しました。9月下旬にも正式に布告を発表する予定です。

 マクロン大統領は先週ギリシャを訪問した際、労働法改定に反対する者は「なまけもの、過激派、冷笑家だ」とやゆ。これが多くの労働者の反発を呼びました。「万国のなまけものよ団結せよ」など、この発言を逆手に取ったユーモアあふれるプラカードが多く登場しました。

 労働法改定の責任者であるペニコ労働相が、企業幹部だった時代に実施したリストラで株価が上がると、ただちに持ち株を売却して巨額の利益を上げていた問題も、怒りの的。「マクロン法は、パトロン(主人すなわち大企業のこと)法」などの語呂合わせなど、労働法改悪の狙いが大企業優遇だとの批判も多数見られました。

 チュニジア出身の元高校教師サイダニ・ケマイスさん(67)は、「1世紀半も労働者がたたかい取ってきたものを壊してしまう。まるで津波だ。それも内容を知らせない非民主的なやり方だ」と言います。

 リコーの子会社で働く50代の労働者は、「労働法改悪を利用して、これまで勝ち取ってきた有給休暇の削減や技術者のリストラをやってくるのではないか」と警戒していました。

 高等師範学校生のルイさん(21)ら経済学専攻の3人組は、「解雇しやすくすると雇用が拡大するなんて証明されていない。今の政府は富裕層を優遇して、庶民には冷たい」と語っていました。

 パリのデモにはフランス共産党のロラン党首、社会党の前大統領選候補者のアモン氏が参加。「服従しないフランス」のメランション氏はマルセイユの集会に出席しました。


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