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2017年9月29日(金)

データは語る アベノミクスを斬る

史上2番目に低い食料自給率

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 2016年度の日本の食料自給率は38%でした。米の不作で37%へ急落した1993年度に次いで史上2番目に低い水準でした。田畑、果樹園、牧草地を含む耕地面積も、農業従事者数も、農家数も、減り続けています。

 安倍晋三政権が掲げる「もうかる農業」は、農業でもうけられる一部の経営だけが農業に従事すればよいとするものです。大多数の農家への支援を切り捨ててきました。

 安倍政権は、自給率向上の筋道も、その熱意も示していません。新「食料・農業・農村基本計画」では、自給率目標を50%から45%へ引き下げた上、目標年限も22年度から25年度へ先送りしました。自給率低下は、そうした中で起きているのです。

 16年度の農業白書ですら、「中長期的には人口増加等により世界の食料需給が逼迫(ひっぱく)する懸念があります」と指摘しています。ごく一部の農業経営だけで、食料自給率を向上させ、持続可能な農業・農村を実現することはできません。国土や環境の保全など農業の持つ多面的な役割を担うこともできません。

 経営の規模や形態を問わず、みな農業の担い手と位置付け、現に農業に従事している農家をできるだけ多く維持し、新規の就農者を確保しなければなりません。それには、農産物の価格保障を中心に所得補償を組み合わせるなどして再生産を保障し、安心して農業生産に取り組み、農村で暮らし続けられる諸条件を整えることが必要です。

(北川俊文)

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