2017年10月6日(金)
データは語る アベノミクスを斬る
非正規207万人増 自営業は減少
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安倍晋三首相は2012年から16年にかけて就業者数が185万人増加したことを「アベノミクス(安倍政権の経済政策)の成果」に挙げます。総務省「労働力調査詳細集計」によると、2012年から16年の4年間で増えた正規雇用者は22万人、非正規雇用者は207万人。非正規の増加幅は正規の9倍以上です。圧倒的に非正規の増加が就業者数を押し上げています。
しかも正規の中には、職種や勤務地が限定され、労働条件が低い「限定正社員」も含まれているため、実際の非正規の増加はさらに多くなります。
一方、自営業者とその家族従業者は減少し、就業者数全体を押し下げています。自営業主・家族従業者等(従業上の地位不詳の人を含む)はこの4年間で26万人減っています。
自営業主・家族従業者は1990年には約1400万人いましたが、2011年には711万人に半減。さらに16年には約680万人に減っています。中小企業庁の17年版「中小企業白書」は事業規模が小さくなるほど資金繰りや取引条件が厳しくなると指摘しています。
(山田俊英)