2017年11月29日(水)
東レもデータ改ざん
経団連会長が社長時から
子会社
化学大手、東レは28日、全額出資子会社の「東レハイブリッドコード」(愛知県西尾市)がタイヤ素材などの品質データを改ざんしていたと発表しました。検査担当者が納入先と合意した規格値に収まるようにデータを書き換えていました。タイヤメーカーなど国内、海外の13社に対し、149件の不正行為が行われていました。
問題は2016年7月に社内で発覚しましたが、公表していませんでした。経団連会長の榊原定征(さかきばらさだゆき)氏は東レの前社長(現相談役)。改ざんが行われていたのは08年4月〜16年7月で、榊原氏の社長在任中に不正が始まりました。大企業の不正が相次ぐ中、同氏の責任も問われます。
東レの広報部門によると、改ざんした品質データは、製品の太さや強度、加熱時の収縮性など10〜20項目に及びます。不正が行われた製品は、タイヤやブレーキホースの補強材などです。出荷先について、広報担当者は「守秘義務があり、顧客に迷惑が掛かる」として回答を拒みました。
日覚昭広社長は28日午前、東京都内の本社で記者会見し、「大変なご迷惑と心配をおかけし、誠に申し訳ない」と陳謝。法令違反や安全上の問題が生じていないことから当初は公表する考えがなかったものの、インターネット上に不正行為に関する書き込みが出たことなどから、「正確な内容を公表すべきだと考えた」と釈明しました。
東レによると、現時点では安全上の問題や法令違反は見つかっていないとしています。東レは11月27日付で外部有識者を含む調査委員会を立ち上げました。年内をめどに報告書をまとめる方針です。