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2017年12月1日(金)

主張

16年政治資金報告

企業献金にも税金にも頼らず

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 総務相に届けられた2016年分の政治資金収支報告書が公表されました。参院選が行われた16年中の政党や政治団体の収入は合計1080億円、支出は同1074億円で、収入は伸び悩んだものの支出は増えています。おもな政党で見ると、自民党は企業や政治団体を通じた献金と政治資金集めパーティーなどの事業収入、税金で賄う政党交付金(助成金)の合計が収入の9割以上を占めており、当時野党第1党の民進党も9割近くが助成金頼みです。企業・団体献金にも税金にも頼らない政党は日本共産党だけです。国民に支えられた健全な政党財政の姿です。

政治資金通じ国民が監視

 政治資金収支報告書は、政治資金の流れを通じて政党や政治団体の活動を「国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」(政治資金規正法)、毎年1回、全国で活動する政党・政治団体は総務相に、地方の団体は各都道府県選管に届け出ることになっているものです。

 政党の財政は、自発的に参加する党員が納入する党費、支持者・後援会員からの寄付、機関紙・誌などの事業活動で支えられるのが本来の姿です。約216億円の収入のほとんどを党費と個人献金、機関紙などの事業収入で賄っている日本共産党は、文字通り国民に根差し、支えられた政党です。

 企業はどんなに大きな経済力があっても主権者としての参政権はなく、巨額の企業献金は、主権者である国民一人ひとりの権利を侵害することになります。もうけが目的の企業が献金するのは「見返り」を求めるためで、企業献金はまさに金権・腐敗政治の温床です。一方、税金で国民に負担が押し付けられる政党助成金も、国民が政党を支持する、支持しないにかかわりなく強制するもので、憲法が保障する思想・信条の自由に反します。日本共産党は企業献金だけでなく、政党助成金も1円も受け取っていません。

 自民党の241億円を超す収入のうち、1割近くが企業や政治資金団体の国民政治協会など政治団体からの献金、事業収入にも企業に資金集めのパーティー券購入を押し付けた、形を変えた企業献金があります。そのうえ税金からの助成金が、72%を占めます。

 自民党は本部で直接献金を受け取るほか国民政治協会を政治資金団体に指定して献金を受けています。献金上位には自動車工業会、鉄鋼連盟、電機工業会、トヨタ、東レなど、大企業やその業界団体がずらりと並んでいます。財界団体トップの日本経済団体連合会(経団連)は現在の榊原定征東レ最高顧問が会長になってから今年まで4年連続で自民党への献金を呼びかけており、かつてに比べ企業献金は増える傾向です。

企業献金で政策を買う

 経団連は「政策評価」に基づいて自民党の政策や実績を高く「評価」、会員企業などに献金を呼びかけますが、今年も総選挙が終わるのを待ちかねて発表した「政策評価」には法人税減税や消費税の増税、原発再稼働などが並びます。経団連は献金を「社会貢献の一環」といいますが、まさに献金を通じた財界の政策買収そのものです。

 企業献金や政党助成金に頼る政党に国民本位の政治は期待できません。企業献金も政党助成金も直ちに禁止・廃止すべきです。


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