2017年12月9日(土)
日本共産党国会議員団総会
志位委員長のあいさつ
日本共産党の志位和夫委員長が8日、特別国会閉会に当たっての議員団総会で行ったあいさつは次のとおりです。
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「日本共産党国会議員団ここにあり」――存在感が光った特別国会
特別国会の閉会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。
この特別国会は、総選挙で、市民と野党の共闘は前進させることができましたが、日本共産党の議席は悔しい後退というもとでの国会になりましたが、26人の衆参議員団のみなさんの大奮闘で、「日本共産党国会議員団ここにあり」という、わが党ならではの論戦を展開し、日本共産党の存在感を光らせることができた国会になったと思います。(拍手)
私は、三つの成果を確認したいと思います。
森友・加計疑惑――幕引きを許さず、安倍首相をさらに一歩追い込んだ
第一は、森友・加計疑惑の徹底究明の論陣を張り、安倍首相をさらに一歩追い込んだことであります。
森友学園の疑惑では、わが党の追及によって、財務省の側から森友学園に値引き売却を提案し、「口裏合わせ」をはかっていたことを示す「音声データ」の存在を、政府も認めざるを得なくなりました。わが党の追及は、朝日新聞、東京新聞が1面トップで扱うなど、大きな反響を呼びました。抜群の追及だったと思います(拍手)。そして、こうした異常事態の背景に安倍昭恵氏の関与があるのではないかという疑惑が、いよいよ深刻になったと思います。
加計学園の疑惑では、わが党の追及によって、2015年6月の国家戦略特区諮問会議ワーキンググループの会議に、加計関係者が出席・発言していたこと、にもかかわらずそれが隠され続け、速記録まで破棄されていたことなど、「加計ありき」「加計隠し」の異常な実態が明るみに出ました。加計孝太郎氏の国会招致は、いよいよ避けて通れなくなったと思います。
わが党の疑惑追及に、自民党からも「これで予算委員会らしくなった」という声が伝わってきました。安倍首相は、この問題について、この国会で幕引きをはかろうと考えていた。しかし、幕引きどころではなくなったではないですか。疑惑がいっそう深まったというのが、到達点だと思います。通常国会では、昭恵さん、加計孝太郎さんに、必ず出てきてもらおうではありませんか(拍手)。疑惑の徹底究明のために引き続き頑張りたいと思います。(拍手)
米国言いなり、財界中心の政治のゆがみにメスを入れる先駆的論戦
第二に、日本共産党国会議員団は、外交、内政の根本問題で、安倍政権と正面から対決し、その政治姿勢をただすとともに、国民の立場からの抜本的対案を示す論戦でも、重要な成果をあげました。
わが党は、北朝鮮問題、消費税問題、社会保障切り捨て問題、有期雇用5年打ち切り問題、沖縄米軍基地問題、原発問題、憲法問題、そして核兵器禁止条約など、内外の焦点の問題で、安倍政権の急所を突き、打開策を示す論戦をおこないました。
私は、開会のあいさつで、安倍政権の暴走政治の根っこには、異常な米国言いなり、財界中心という二つのゆがみがあることを明らかにする論戦に大いに取り組もうと訴えましたが、わが党が展開した論戦は、まさにこの日本の政治の二つのゆがみにメスを入れる、わが党ならではの先駆的な論戦になったのではないでしょうか。
通常国会に向け、各分野で論戦にさらに磨きをかけて、わが党の対案を新鮮に、豊かに発展させる努力を大いに強めようではありませんか。(拍手)
トランプ米大統領べったりの異常な姿勢――首相に根本的見直し求める
ここで私が強調しておきたい問題があります。
それは、米国トランプ大統領べったりの安倍首相の姿勢が、日本をきわめて危険な道に引き入れつつあるということです。
北朝鮮問題で、安倍政権がとっている対話否定、米国による先制的な軍事力行使容認の立場は、米朝の軍事的緊張がいっそう高まるもとで、出口のない危険にわが国を引き入れつつあります。
トランプ大統領によるエルサレム首都認定という、国連決議に反し、中東の平和と安定を根底から危険にさらす暴挙に対して、日本共産党はただちにそれを厳しく批判し、撤回を求める見解を表明いたしました。世界でも、イギリス、フランス、ドイツなど、米国の同盟国も含めて、世界中の首脳が批判の声をあげています。そのなかで、安倍首相、日本政府だけが一言の批判も言わないという姿勢をとっているのは、一体どういうことか。トランプ大統領のすることは、それがどんなに無法なものであっても批判しないというのが、安倍首相の方針なのでしょうか。これがいま厳しく問われています。
いまトランプ大統領の言動には、さまざまな危険な要素が噴き出しています。北朝鮮問題しかり、中東問題しかりであります。そのときに世界の首脳のなかで、安倍首相ほど異常なトランプ大統領べったりの姿勢を続けている首脳は、ほかに見当たりません。世界のなかで安倍首相ただ一人です。この2人の異常な関係は、わが国にとっても、世界にとってもきわめて危険なことだといわなければなりません。
私は、安倍首相に対して、トランプ大統領べったりの関係を根本的に見直し、言うべきことは言う当たり前の外交政策をとることを、強く求めたいと思います。(拍手)
野党共闘の新たな前進――野党質問時間削減を押し返し、野党共同で法案提出
この国会の第三の成果として確認しておきたいのは、野党共闘の新たな前進であります。何よりまず、議会制民主主義を破壊し、国会を形骸化させようという安倍政権の策動に、野党が協力して立ち向かったことは重要であります。この特別国会を8日間で審議なしで終わらせようという安倍首相のもくろみを打ち破り、野党の一致した要求で39日間の会期を認めさせました。
野党の質問時間削減という民主主義破壊の言語道断の暴挙を、野党の連携で押し返しました。同時に、与党が不当な時間配分をとり、質問時間の浪費としかいえない無意味な問答が繰り返されたことは、重大であります。少数会派の質疑時間保障を軸に、野党の質問時間確保のためのたたかいをさらにすすめていきたいと思います。(拍手)
野党共闘という点では、総選挙後の初めての国会で、野党共同で、「公文書管理法改正案」「共謀罪廃止法案」「カジノ解禁推進法廃止法案」を衆院に提出しました。これは、今後の野党共闘再構築の新たな一歩となるものであります。共闘の流れを国会内外で発展させようではありませんか。とりわけ「安倍9条改憲を許さない」――この一点での国会内外の市民と野党の共闘を発展させ、「3000万署名」をやりきるために、大奮闘しようではありませんか。(拍手)
「共闘の時代」にふさわしい党活動・党建設の探求と開拓の先頭に立とう
第3回中央委員会総会の決定は、全党から強い歓迎を持って迎えられ、全党に新たな活力をもたらしつつあります。
最後に訴えたいのは、衆参の国会議員団のみなさんが、3中総決定全面実践の先頭に立つことであります。党を丸ごと理解していただく活動、党の自力をつける活動、選挙活動の日常化など、「共闘の時代」にふさわしい党活動・党建設の探求と開拓の先頭に、わが国会議員団が立とうではありませんか。とくに「党綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」を日本列島のすみずみで開く取り組みの先頭に立って頑張りたいと思います。
年末・年始、いろいろと国民のみなさんと接する機会も増えると思います。衆参の議員団のみなさんが元気いっぱいで年末・年始と活動され、そして通常国会ではまた元気にみんなで集まって、さらに大きな成果をあげることを誓いあいまして、ごあいさつといたします。お疲れさまでした。頑張りましょう。(拍手)