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2018年1月5日(金)

新しい時代ひらく党の力つける年に

党旗びらき 志位委員長のあいさつ

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 日本共産党の志位和夫委員長が4日、党本部で開かれた2018年党旗びらきで行ったあいさつは次の通りです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=4日、党本部

 お集まりのみなさん、2018年、明けましておめでとうございます(「おめでとうございます」の声)。インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、新春にあたって心からのあいさつを送ります。

逆流をのりこえて、市民と野党の共闘を前進させ、新たな信頼と共感を広げた

 昨年、2017年の特徴を一言でいうならば、世界でも日本でも、新しい時代につながる大変動が起こった年ということが言えると思います。

日本共産党が共闘の推進力という評価が――「新春対談」から

 日本では、10月22日に行われた総選挙で、市民と野党の共闘――統一戦線が、突然引き起こされた逆流をのりこえて、重要な前進を記録しました。

 わが党自身は、総選挙で議席を減らす結果となり、共闘を前進させながらいかにして日本共産党の躍進をかちとるかは、今後の私たちの大きな挑戦課題であります。同時に、市民と野党の共闘に、ブレずに、誠実に、献身的に取り組むことをつうじて、私たちが獲得した財産は、きわめて大きなものがあると実感します。

 私は、この間、「しんぶん赤旗」の日曜版と日刊紙で、「新春対談」を行う機会がありましたが、対談相手から共通して語られたのは、民進党の希望の党への突然の「合流」という共闘破壊の逆流が起こった時に、わが党が断固として共闘の旗を掲げ続けるとともに、共闘勢力の一本化のために大局に立って行動したことへの評価でした。

 同志社大学大学院教授の浜矩子(のりこ)さんには、次のような評価をいただきました。

 「市民の目から見ると、あのときの共産党の対応が本当にありがたかった。自分のところはさておき、市民連合が『闇の軍団』=安倍自公政権と対峙(たいじ)することに全精力をあげてくれたことはとてもよかったです」「この間の展開は“状況は変わるんだ”ということをはっきりしめしています。……状況は変えられる。奇跡は起こる。その一端を目の当たりにしているといっても過言ではないと思うんです。……奇跡を担われている(共産党の)みなさんは、あらゆる場面でたくさんの奇跡を起こしていただきたい」

 神戸女学院大学教授の石川康宏さんからは、次のような評価をいただきました。

 「日ごろ、共産党のことをあまり褒めることのない僕のまわりの学者たちも、『よくやった』『あれがないと共闘はもたなかった』と言葉をかけてきました。共産党が狭く自分の議席だけを考えるのではなく、社会全体を前に進めるという大局の利益を優先したことが、多くの人の共感をよぶ選挙になったと思います」「共闘のなかで、共産党が他者からリスペクト(尊敬)される存在となり、(共闘を)発展させる上で中心的な役割を果たしているということを、市民運動が認めている……。共産党に対する市民の信頼がここまで深まってきたというのも、いまの市民と野党の共闘の歴史的な到達点として大事なところじゃないかと思います」

 どちらもたいへんにうれしい評価です。これまでわが党と距離を置いてきた人々――石川さんの言葉を借りれば「日ごろ、共産党のことをあまり褒めることのない」人々も含めて、広範な知識人、文化人、市民運動に携わる人々が、今回、日本共産党がとった決断と行動に対して、温かい評価を寄せてくれています。

 2016年の参院選、17年の総選挙を通じて、市民と野党の共闘が、日本の政治を動かす力として日本社会のなかでたしかな市民権を獲得するとともに、私たち日本共産党がこの事業の推進力だという認識が、広範な民主的市民勢力の間に定着したことは、本当に大きな意義がある出来事と言ってよいのではないでしょうか。(拍手)

定数2の市議補選の連続勝利――わが党への潜在的共感の広がり示す

 総選挙後、中間地方選挙で、日本共産党の新しい前進の流れが生まれていることも重要であります。

 12月17日に投開票された埼玉県・上尾市の定数2の市議補欠選挙で、わが党候補は、衆院比例票の1・9倍の得票を得て、トップ当選をかちとりました。翌週、12月24日に投開票された東京都・東久留米市の定数2の市議補欠選挙でも、わが党候補は、衆院比例票の1・8倍の得票を得て、勝利をかちとりました。

 共通する特徴は、それぞれ市議補選とともに、市長選挙を本気でとる構えでたたかい、市民との共同のたたかいが広がったことにありました。総選挙と、それに続く市政刷新をめざす共同の取り組みなどを通じて、日本共産党に対する見方が大きく変化し、定数2の補欠選挙での連続勝利につながりました。これらの結果は、総選挙後のわが党に対する潜在的な共感の広がりを示すものとして、たいへんに重要であります。

 全国のみなさん。逆流をのりこえて、市民と野党の共闘を前進させ、広範な市民・国民の新たな信頼と共感を広げた――ここにこそ、昨年、全党の奮闘によって私たちが獲得した最大の財産があります。ここに確信をもって今年のたたかいにのぞもうではありませんか。(拍手)

19年参院選の共闘にむけ、政策対話と候補者調整のための協議開始をよびかける

 市民と野党の共闘は、その力が2年半の実践で証明されたとはいえ、まだ初歩的段階であり、前途には多くの困難も予想されます。わが党は、来年7月の参議院選挙に向け、これを本格的共闘に発展させるために力をつくします。

 まず何よりも、憲法9条改定反対をはじめとする7項目の野党の共通公約を実行する共同のたたかいを発展させるために、市民連合と協力して全力をあげます。共闘を発展させる原動力は国民のたたかいにあります。たたかいの発展のなかでこそ、共闘をさらに発展させる展望が開けてきます。このことを銘記して力をつくそうではありませんか。

 来年の参議院選挙では、全国32の1人区のすべてでの市民と野党の共闘の実現と、その勝利をめざします。そのために、これまで連携・協力して国政選挙をたたかってきた立憲民主党、社民党、自由党、民進党の各党に対して、すみやかに真剣な政策対話と候補者調整のための協議を開始することをよびかけます。

 これまでの2度の国政選挙――2016年参院選、17年総選挙では、わが党は、共闘体制構築のために、一部をのぞいて、候補者を一方的に降ろすという対応を行い、それは適切な対応だったと確信しています。同時に、本来、選挙協力はお互いに譲り合い、リスペクトの精神をもって相互に支援しあい、参加するすべての政党が前進するような協力を行ってこそ、本当の力を発揮することができるし、長続きし、発展することができます。そのことを踏まえ、わが党は昨年12月の第3回中央委員会総会決定で、「次の参院選では、過去2回のような一方的な対応は行いません。あくまで相互推薦・相互支援の共闘をめざします」と確認しました。党大会につぐ意思決定機関でのこの確認は、私たちにとって重い確認であります。共闘相手の政党にも、ぜひこの点をのりこえていただくことを、私は希望するものです。

 来年改選をむかえる2013年の参院選では、全国の1人区のほとんどで自民党が議席を得ています。逆に言いますと、本格的な野党共闘が実現するならば、多くの選挙区で与野党逆転をかちとり、自公とその補完勢力を大敗させることは十分に可能であります。そのために野党が結集・結束することを心からよびかけます。(拍手)

日本共産党の新たな躍進へ――「比例を軸に」、「全国は一つ」で頑張りぬこう

 参議院選挙では、日本共産党の新たな躍進をかちとるために全力をあげます。「比例を軸に」を貫き、比例代表で「850万票、15%以上」、7議席獲得を目標にたたかいます。すでに発表した第1次比例予定候補7氏は、人格、識見、論戦力抜群、魅力あふれるベストチームであります。7人全員当選のために、「全国は一つ」で頑張りぬこうではありませんか。(拍手)

 選挙区選挙では、現有3議席――東京、京都、大阪を絶対に守りぬき、議席増をめざしてたたかいます。原則として、全国すべての選挙区で予定候補者をすみやかに擁立し、勝利をめざすたたかいをスタートさせます。

 日本共産党が、比例代表でも、選挙区でも、わが党ならではの政策と魅力を大いに語り、新たな躍進の勢いをつくりだしてこそ、市民と野党の共闘の新たな発展の道が開かれます。全国のみなさん。このことを胸に刻んで、力いっぱい今年をたたかおうではありませんか。(拍手)

世界の大変動――核兵器禁止条約とトランプ米政権

核兵器禁止条約――国際社会の「踏み切り」と、「市民社会」の役割の飛躍的拡大

 ここで世界に目を向けますと、昨年の最大の歴史的・画期的な出来事は、国連での核兵器禁止条約の採択でありました。

 何よりもこの条約は、世界の英知を結集し、国際社会が新たな「踏み切り」を行ったものにほかなりません。この間、広島・長崎の被爆者の告発、一連の国際会議などをつうじて、核兵器の非人道性に対する理解が、国際社会の共通認識となりました。ところが、核保有大国は、「自国の核兵器の完全廃絶」という国際社会への誓約を投げ捨て、核軍備を近代化・強化するという態度をとっています。それならば、まず賛成する諸国によって核兵器を法的に「禁止」、すなわち違法化し、それをテコに「廃絶」に進もう――そうした新たな「踏み切り」を行ったのが核兵器禁止条約であり、そこには世界の英知が働いていることを強く感じます。

 そして、日本政府がこの歴史的条約に背を向けるもとで、日本共産党が、日本被団協や日本原水協とともに、国連会議に公式に参加し、この新たな突破点をしっかりとつかんで条約採択にむけて働きかけたことは、「核兵器のない世界」にむけての貢献になったと考えるものであります。

 私たちが、国連会議に参加してのいま一つの強い実感は、国際政治の「主役」が一部の大国から、多数の国ぐにの政府と「市民社会」に交代したということです。とくに、禁止条約が成立し、各国の署名と批准、発効へと向かおうとしているいま、「市民社会」の役割は、飛躍的に大きくなろうとしています。

 そのことを象徴的に示したのが、昨年10月のICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のノーベル平和賞受賞でした。これは、核兵器の非人道性を身をもって世界に訴え続けてきた広島・長崎の被爆者をはじめ、核兵器の禁止・廃絶のために草の根で献身的な努力をしてきた世界のすべての人々――「市民社会」の全体に贈られたものと言っていいと思います。

 さらに、昨年11月には、ローマ法王庁の主催で、「核なき世界」への道筋を議論する国際シンポジウムが開かれ、長崎の被爆者・和田征子(まさこ)さんが招待され、その発言には全員総立ちの熱烈な拍手がおくられました。フランシスコ法王は、核兵器禁止条約を高く評価し、バチカンは率先して条約に署名・批准しました。世界には12億人にのぼるカトリック信者がいると言われますが、バチカンと世界の「市民運動」が核兵器禁止条約で連携することは、国際政治に大きな影響を与えることになるでしょう。

 国際政治を動かすのは、世界の一人ひとりの市民――民衆であることが、国際社会の公認の事実となりました。この数年来、日本では、一人ひとりの市民が、主権者として自覚的に声をあげ立ち上がる、戦後かつてない市民運動がわき起こり、その力が市民と野党の共闘を生み出しましたが、同じようなプロセスが世界でも起こっているのです。

 全国のみなさん。このことに深い確信をもち、今年が「核兵器のない世界」にむけてさらに前進する年となるように、お互いに力をつくそうではありませんか。(拍手)

トランプ政権――「米国主導の国際秩序」に対する「責任」を自ら放棄

 昨年、世界で起こったもう一つの大変動は、トランプ米大統領の登場でした。トランプ大統領の行動の特徴を一言でいえば、「米国主導の国際秩序」に対する「責任」を、自ら放棄したというところにあります。

 第2次世界大戦後、アメリカは、政治・軍事・経済などあらゆる面で、「米国主導の国際秩序」をつくってきました。それは覇権主義的な世界支配を目的にしたものでしたが、ともかくも米国は彼らなりの「国際秩序」を主導してきたのです。

 トランプ大統領が「アメリカ・ファースト」のスローガンのもとで投げ捨てつつあるのは、こうした「米国主導の国際秩序」に対する「責任」そのものです。トランプ政権は、国連で核兵器禁止条約が採択され、世界が核廃絶へと大きく動きだしたその時に、この動きを激しく妨害し、オバマ政権時代にはともかくも掲げた「核兵器のない世界」という目標を放棄し、核戦力の強化を公言しています。地球温暖化防止のパリ協定からの離脱を表明し、歴史上、初めて国連加盟国のすべての国が参加するこの合意から、ただ一国、アメリカだけが脱落するという事態になりました。エルサレムをイスラエルの首都と認定すると宣言したことは、世界中の非難をよびおこし、国連総会は、この認定の撤回を求める決議を圧倒的多数で可決しました。こうしてトランプ大統領のもとで、アメリカはいま、第2次世界大戦以降、かつてない国際的地位の低下と孤立に直面しています。

 世界はいま、核兵器禁止条約に象徴されるように「大国中心」の世界が過去のものになっただけではなく、トランプ大統領のもとで「米国主導の国際秩序」が壊れつつあるという、二重の大変動の最中にあるのであります。

安倍政権――世界でも異常な「トランプ・ファースト」の従属外交でいいのか

 そのときに、異常な「トランプ・ファースト」で際立っているのが、安倍首相であります。彼は、昨年12月の講演で、トランプ大統領との「ゴルフ外交」の意義を延々と語ったあと、「半世紀を超える日米同盟の歴史において、首脳同士がここまで濃密に深い絆で結ばれたことはない」と自画自賛しました。たしかに2人の関係は、世界でもとびぬけて「濃密」なものです。しかしそれは決して自慢できるようなものではありません。

 ともに核兵器禁止条約を妨害し、ともに石炭火力発電所を推進してNGOから「化石賞」を受賞し、安倍首相は、エルサレム首都認定問題でも一言も批判をしようとしません。北朝鮮問題では、「すべての選択肢はテーブルの上にあるというトランプ大統領の方針を強く支持する」と繰り返し、米国の先制攻撃に白紙委任を与え、この機に乗じて安保法制=戦争法を発動し、トランプ大統領に言われるままに高額の米国製武器を購入し、大軍拡の道をひた走っています。

 トランプ大統領のやることには、それがどんなに無法なものであっても、無理無体なものであっても、決して批判をしない。これが安倍首相の「大方針」ですが、こんな首脳は世界に二人といません。世界の多くの首脳は、米国の同盟国の首脳も含めて、「トランプ大統領は危うい」「付き合うにしても距離を置き、言うべきことは言う」という当たり前の姿勢をとっています。そのときに世界でも異常な「トランプ・ファースト」の従属外交を続けていいのかが、安倍首相に厳しく問われています。

 トランプ大統領の登場のもとで、異常な対米従属外交をあらためることは、日本外交にとっていよいよ急務となっているということを、激動の年の年頭にあたって、私は強く訴えたいと思います。(拍手)

2018年をどうたたかうか――三つの点について

 今年・2018年をどうたたかうか。

 3中総決定で確認したように、「2019年の参議院選挙、統一地方選挙で新たな躍進をかちとるために、2018年を、党と国民との結びつきを豊かに広げ、党大会決定にもとづく法則的活動を実践し、腰をすえて党の力をつける年にしていく」ために、知恵と力をつくしたいと思います。

 その方針は、3中総決定で全面的に明らかにされています。私は、それを前提として、三つの点について訴えたいと思います。

憲法と沖縄――絶対に負けられない二つのたたかい

 第一は、安倍政権と対決する国民のたたかいを発展させる先頭に立つことであります。3中総決定は、当面のたたかいの課題として、国政私物化疑惑、憲法問題、暮らしと経済、原発問題、沖縄米軍基地問題、核兵器禁止条約について提起しています。その全体に大いに取り組みたいと思いますが、その中でも「絶対に負けられない二つのたたかい」について、今日は訴えたいと思います。

 一つは、安倍政権による憲法9条改定を許さないたたかいであります。

 安倍首相は、昨年12月の講演で、「2020年、日本が大きく生まれ変わる年にするきっかけとしたい。憲法について議論を深め、国の形、あり方を大いに論じるべきだ」とのべ、事実上、期限を区切って9条改憲推進に執念を燃やす発言を行いました。「できれば今年の通常国会で、遅くとも臨時国会で改憲の発議を行いたい」というのが、安倍政権が狙うスケジュールであります。

 ですから今年前半のたたかいがきわめて重要となります。前半が大きな勝負どころになります。「安倍9条改憲NO! 全国市民アクション」がよびかけた「3000万署名」を集めきり、9条改憲の国会発議を絶対に許さない揺るぎない国民的多数派をつくるために全力をあげようではありませんか。

 それをやり抜く条件はどうか。私は、政治的立場の違いを超えた、政治的一大共同をつくる条件は、大いにあると思います。たとえば宗教界の変化であります。この間、「生長の家」は、「自民党の9条改憲案の『自衛隊の明記』は、……日本国憲法の平和主義や基本的人権の保障を脅かす危険性がある」として、それに強く反対する文書を発表しています。真宗大谷派(東本願寺)は、9条改悪に対して、「『不戦決議』『非戦決議』を採択した宗門として断固反対していきたい」と表明しました。日本カトリック司教協議会、プロテスタント最大の日本基督教団も、そろって安倍首相の9条改憲案に強く反対しています。

 全国のみなさん。今年は、憲法をめぐって文字通り“決戦の年”になります。日本の命運を左右するこの歴史的闘争で、必ず勝利することを、年頭にあたって全党の共通の決意にしようではありませんか。(拍手)

 いま一つは、沖縄の政治戦――2月の名護市長選挙、8月の沖縄県統一地方選挙、11月の県知事選挙で必ず勝利をかちとることであります。

 ここで重要なことは、新基地建設反対を貫く名護市長と県知事がいるかぎり、辺野古新基地は絶対につくることはできないということです。基地をつくろうとすれば、美謝川(みじゃがわ)の水路切り替えが必要になりますし、軟弱地盤や活断層が存在している可能性が指摘されるもと、重大な設計変更が余儀なくされます。県知事や名護市長の許可がなければ工事を進めることはできません。だからこそ、それを知っているからこそ、政府・与党は、総力をあげて県知事と名護市長を奪還しようとしているのです。

 沖縄のたたかいも、絶対に負けられないたたかいであります。まずは大激戦となっている2月の名護市長選挙で、稲嶺ススム市長の勝利をかちとるために、「オール沖縄」の共同を広げるとともに、全国のあらゆる力を総結集することを強くよびかけるものであります。(拍手)

日本列島のすみずみで「集い」を開き、積極的支持者を広げに広げよう

 第二は、日本共産党の綱領、理念、歴史を丸ごと理解してもらい、積極的支持者を増やす日常的活動に思い切って取り組むことであります。

 3中総決定をうけて、「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」の開催が、全国に広がりつつあります。12月は、1200を超える支部が「集い」を開き、参加者数は1万5千人となりました。

 大平喜信前衆議院議員は、総選挙後29カ所の「集い」に参加して党を語っています。初めはとにかく悔しい思いが出され、「悲しくてやりきれない」という歌を歌いだした人もいたとのことです。しかし、「集い」を通じて、党内外が明るく元気になり、笑い声が絶えない「集い」となり、「集い」を通じて5人が入党しました。大平さんからは、「『ここに来てください』ではなく、『3人集えばどこにでも駆けつけます』というメッセージを発信しました。支部の自発性を大切にした取り組みが大切だと思います。『気軽に』『双方向で』『繰り返し』というのが、何といってもいい。そういう『集い』こそ成功します」との報告が寄せられています。

 綱領は、それ自体が、党を丸ごと伝える最良の文書であります。ある著名な放送ジャーナリストが書いた「日本共産党の綱領全文を読んでみたら進化に驚いた」と題するブログが評判になっています。この方は、ブログの冒頭で、「僕は昔から共産党が大嫌いでした」とのべ、こう続けています。

 「でもそれだけでは好き嫌いのイメージの問題であって、論理的な説得力に欠けるので、僕はきちんと日本共産党を否定できる根拠を挙げたうえで批判しようと思いました。僕の記憶によると日本共産党の綱領にはたしか次のような目標が掲げられていて、それ故に日本共産党ではダメなのだ、と述べようと考えました。

 ・マルクス・レーニン主義による社会主義国家建設のため武力革命を目指す。

 ・天皇制の全面否定と廃止を目指す。

 ・自衛隊の全面否定と廃止を目指す。

 このようなとんでもない綱領を掲げている共産党は、いくら政策で良いことを言っていても、断じて許容できないと書くつもりでした。しかし念のため現在の日本共産党の綱領を確認しようとよく読んでみると、これらは全部否定され、驚くほど穏健で現実的なものに進化していることに気がついたのです」

 この方は、綱領を詳しく引用して、それぞれについて解説した後、出した結論は、「今の安倍独裁政権よりは、はるかにマシなので、脱安倍独裁のための一票を、安心して投ずることができます」というものでした。この方の旧綱領についての「記憶」には誤解もあったようですが、現綱領への評価はたいへんうれしいことであります。

 綱領の力に自信と確信をもって、日本列島のすみずみで、「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」を、「気軽に」「双方向で」「繰り返し」開き、どんな情勢のもとでも、「共産党だから支持する」という積極的支持者を広げに広げようではありませんか。(拍手)

2018年を、党勢拡大で後退から前進に転じる歴史的な年に

 第三は、今年を、何としても、党員拡大を根幹とする党勢拡大で後退から前進に転じる歴史的な年にしていくということであります。

 3中総決定は、参院選1年前の7月末までに、党員、「しんぶん赤旗」日刊紙読者、日曜版読者で、前回参院選時を回復・突破するという目標を決めましたが、まずこの目標を掛け値なしにやりとげようではありませんか。

 昨年12月は、全党の最後までの奮闘で、日刊紙読者を全国的に増勢に転ずることができました(拍手)。貴重な一歩前進であり、全党のみなさんの奮闘に心からの敬意と感謝を申し上げるものです。新しく読者になった方は、この間の市民と野党の共闘で果たした日本共産党の役割を見て、「どんな党なのかもっと知りたくなった」という方がたいへんに多いのが特徴です。いま党を強く大きくする条件は大いにあります。そのことは12月の取り組みでも実感したことであります。

 そのうえで訴えます。年頭にあたって、いま党の自力をつけることの死活的な意義を、あらためて全党の共通の認識とし、決意としたいと思います。綱領と大会決定にもとづいてわが党が果たしている政治的役割は非常に大きいし、大きな成果もあげています。多くの人々から強い期待、新しい信頼が寄せられています。ところが、それに対してわが党の自力は追いついていません。全党のみなさんの大きな努力がありますが、追いついていません。そこには大きなギャップがあります。近い将来を展望しても、このギャップの打開は、わが党にとって文字通り死活的な課題であります。いまここでその打開をはかることができなければ、中央も含む党機関も全国の党組織も維持・発展できなくなり、党が果たすべき役割が果たせなくなる事態になりかねません。このことは全党のみなさんが痛いほど感じておられることだと思います。

 それではどうするか。私たちが3中総で出した結論は、「党大会決定をしっかり握り、決定にしがみついて実践しよう」ということでした。第27回党大会決定が明らかにした党建設の方針――「楽しく元気の出る支部会議」「地区委員会活動の強化」「世代的継承の方針」などは、全党のすぐれた経験と教訓に学び、全党の英知を総結集してつくった法則的な方針であります。大会決定で党をつくる。活路はここにこそあります。

 党大会から1年間の取り組みを振り返りますと、昨年前半は、私たちは党勢拡大と都議選勝利という二大課題に取り組み、全党の力を都議選に集中し、重要な躍進をかちとりましたが、大会決定を本格的に実践して党勢拡大に実らせるには至りませんでした。昨年後半は、突然の解散・総選挙となり果敢にたたかいましたが、党づくりの活動は中断を余儀なくされました。私たちは、党大会決定という党づくりの法則的方針を手にしていますが、まだこれを本格実践するには至っていないのであります。

 今年こそ、それをやろうではありませんか。全国的な選挙が想定されない今年こそ、党大会決定の全面実践によって、何としても党員拡大を根幹とする党勢拡大をたしかな前進の軌道に乗せようではありませんか。「支部が主役」の取り組みを、月ごとに着実に広げ、7月末までに前回参院選時の回復・突破という目標をやりきり、さらに党勢の高揚のなかで、来年の二つの全国的政治戦で、どんな情勢になろうとも、新たな躍進をかちとろうではありませんか。全国のみなさん。何としても今年はこの事業をやりとげる――そのことを年頭にあたっての全党の固い決意にしようではありませんか。(拍手)

 今年283自治体で予定されている中間地方選挙の一つひとつで着実に勝利し、議席でも得票でも躍進の流れをつくりだすことは、今年の重要な課題であります。また、遅くとも3月までには統一地方選挙の予定候補者を決定し、勝利のための取り組みをスタートさせようではありませんか。

 全国のみなさん。今年・2018年を、党勢拡大と中間地方選挙の双方で、日本共産党の政治的・組織的な上げ潮を、月ごとにつくりだし、来年の統一地方選挙と参議院選挙での新たな躍進を準備する歴史的な年とするために大奮闘する決意を固めあって、そしてこの1月からその仕事を力強くスタートさせることを固く誓いあって、年頭のあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)


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