2018年1月15日(月)
核の非人道性 知るべきだ
長崎 ICAN事務局長が講演
長崎大学の核兵器廃絶研究センターは13日、昨年ノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長を招いて、「核兵器禁止条約をどう活(い)かすか」と題した市民セミナーを長崎原爆資料館で開きました。約300人が参加しました。
基調講演したフィン氏は「被爆者の協力なくして、核兵器禁止条約はあり得なかった。被爆者やその家族、長崎の人々、被爆者とともに立ち上がった人々にお礼を言いたい」と述べました。
フィン氏は、この地でみなさんと考えたいとし「日本政府は誰よりも核の非人道性を知るべきです。核の傘の下に暮らすことを良しとして条約に参加していないが、核兵器の悪行を繰り返してもいいと思っているのか」と厳しく批判。「みなさんの声を一つにして大義のために立ち上がることを政府に呼びかけてください」と訴えました。
パネル討論も行われ、フィン氏と、ICANの川崎哲国際運営委員、被爆者で核兵器廃絶地球市民長崎集会の朝長万左男実行委員長、外務省の今西靖治軍備管理軍縮課長が登壇しました。
今西氏の、北朝鮮の挑発活動を理由とした「厳しい安全保障環境の下、米国の核抑止力が必要」との発言には、会場の高校生や被爆者から批判の声が相次ぎました。最後にフィン氏は「禁止条約参加は最終的には政治家がやらなければいけない。みなさん政治家にプレッシャーをかけてください」と呼びかけました。