2018年1月18日(木)
戦争回避へ好機逃すな
北朝鮮問題で国連総長訴え
「直接対話と交流が不可欠」
国連のグテレス事務総長は16日、北朝鮮の平昌冬季五輪参加や韓国との対話再開などを念頭に、朝鮮半島の非核化に向けて「ある程度の希望の兆しがある」と指摘し、「戦争を避けることができる絶好の機会だ。この機会を逃さないようにすることが重要だ」と表明しました。国連本部での記者会見で語りました。
(島田峰隆)
グテレス氏は、朝鮮半島情勢について「平和はまだ保障されていない。だからこそわれわれは積極的に関与している」と強調しました。国連は北朝鮮問題をめぐる対話を促すために、昨年12月にフェルトマン事務次長(政治局長)を北朝鮮に派遣。同次長は李容浩(リ・ヨンホ)外相と会談するなどしました。
グテレス氏は、「朝鮮半島の非核化への真剣な過程につながるように、希望の兆しを利用することが極めて重要だ」と指摘。関係国に「相互に真剣に対話し、朝鮮半島の非核化への道を見つけること」を呼び掛けました。
また「カギとなる国々の直接対話と交流が不可欠だ」と強調。「カギとなる国々が協議に参加し、国連安保理決議に沿って問題を解決できるようにわれわれは全面的に取り組む」と語りました。
平昌冬季五輪の際に北朝鮮側の滞在費や移動費などを韓国側が負担すると国連安保理の制裁決議に違反する可能性があるという見方について、グテレス氏は、「韓国はしっかりした能力を備えた発達した国だ。適切に処理されると全面的に信頼している」と述べました。
同氏は、会見に先立ち開かれた国連総会の非公式会合でも、今年の優先課題の一つとして朝鮮半島の非核化をあげました。