2018年1月23日(火)
都心初 ミサイル避難訓練
住民「何のため?」
戦争させない外交こそ
東京都などは22日、都心で弾道ミサイルを想定した初の住民避難訓練を、文京区の東京ドームおよび地下鉄後楽園駅・春日駅周辺で実施しました。参加者からは、「何のためのものか分からない」という疑問の声も。「戦争させない外交努力こそ大事」と周辺では抗議行動も取り組まれました。
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主催は都の他、文京区、内閣官房、消防庁。訓練は、弾道ミサイルが発射され、Jアラート(全国瞬時警報システム)を発信した状況を想定し、防災行政無線などによる住民への情報伝達、地下施設や屋内への避難を目的としています。午前10時に始まり10分間行われました。ミサイル発射から通過までの想定は約5分でした。
文京区表町町会で防災活動に取り組んでいる男性(85)は、同訓練は何のためのものかよく分からなかったと語ります。「実際にミサイルが発射されたら、こんな訓練ではどうすることもできない」と批判しました。
訓練に反対して、複数の抗議行動が取り組まれました。参加者は「こんな訓練は仮想敵国をつくり大軍拡に道を開くものだ。ミサイルが撃たれないように外交を築くことの方が大事だ」と声を上げました。
文京シビックセンターでは、訓練参加者は地下2階に避難。しかし、地上から地下2階まで吹き抜けとなっていて、地下避難の安全性は薄く見えました。遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」では、屋内へ避難する最中に、雑談しながら歩く訓練参加者の姿も見られました。
訓練の様子を見ていた区内の33歳の男性は「野次馬ばかり目立った。この訓練は市民に見せることが目的ではないかと思った」と話しました。
不安をあおるな
日本共産党文京区議団の話 住民の命と暮らしを守るべき自治体が、政府とともに地域住民をまき込んで、どれほどの意義があるのかもわからない訓練を強いるのは、理解しがたい。自治体も住民に不安だけを煽(あお)るのではなく、戦争にならないような外交を政府に迫るべきです。