2018年1月30日(火)
トラック輸送の安全守れ
長時間労働・低賃金・人手不足…
建交労労使協議会 国交省などに改善要請
建交労(全日本建設交運一般労働組合)と経営者でつくる建交労中央運輸労使協議会は29日、安全・安心のトラック輸送の実現に向けて、長時間労働の是正、運転者不足の解消、運賃の適正化などを求めて中央行動を行いました。国土交通省はじめ各省庁や全日本トラック協会など業界団体に要請しました。
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トラック業界は1990年の規制緩和で運賃が実質的に自由化され、事業参入も緩和されました。国民生活や経済の基盤であるにもかかわらず、過当競争などによる低賃金の常態化、経営環境や労働条件の悪化が深刻です。
しかし、政府は「働き方改革」の適用について自動車運転業務を5年先送りしたうえ、一般労働者より緩い時間規制にとどめる法案を出しています。
要請前の集会であいさつした大宝運輸の鈴木建一取締役営業推進本部長は、一刻も早い改善が必要であり、超党派での取り組みを強調しました。
国交省への要請は、労働コストや消費税などの社会的コストに基づく「標準運賃」の設定▽運賃買いたたきなどの不公正取引強要への指導▽運転者不足解消へ具体策を示す―などです。
要請では各地の代表が「運賃が30年前よりも下がっているがコストは上がっている。経営者も労働者もぎりぎりで頑張っているが利益が出ない」「長時間労働がネックになって人が集まらない。このままだと事業を継承していけない」「高速道路を使うと時間短縮できるが、運賃が安く、高速に乗ることができない。燃料も高騰している」「効率化や生産性の向上でなく根本的に運賃を改善してほしい」などと訴えました。
国交省の担当者は、「取引条件の改善や物流分野の『生産性革命』をすすめ、トラック業界の生産性につながるよう取り組んでいく」などと話しました。
要請には日本共産党の宮本岳志、本村伸子の各衆院議員、山添拓参院議員、自由党の青木愛参院議員が同席しました。
厚生労働省への要請で建交労の角田季代子委員長は、病気や事故と隣り合わせで働く運転者の実態を訴え、「本格的なところにメスを入れる手だてを講じてほしい」と話しました。
厚労省には、全国一律最賃制の早期確立▽労働保険や社会保険への加入徹底▽長時間労働の改善・是正に向けた労働基準法の順守の徹底―などを要請しました。