2018年9月4日(火)
大企業内部留保 425兆円超
前年度から22兆円増 従業員賃金は減
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財務省が3日発表した2017年度の法人企業統計によると、大企業(金融・保険業を含む、資本金10億円以上)の内部留保が425・8兆円となりました。16年度より22・4兆円増えました。第2次安倍晋三政権が発足した12年度から1・28倍に増えました。経常利益も57・6兆円と16年度から4・8兆円も増やしました。当期純利益は16年度から8兆円増やして44・9兆円となりました。12年度からは2・3倍です。
法人税減税をはじめとしたアベノミクス(安倍政権の経済政策)による優遇政策によって、大企業は利益を拡大し続けていることが改めて示されました。
経常利益の増加に合わせて1人当たり役員報酬は1930万9000円と16年度から60万円以上も増やしました。12年度からは1・13倍の伸びです。配当金も17・5兆円で12年度に比べ1・65倍に急増しました。一方、従業員の賃金は575万1000円と16年度に比べ5万4000円の減額です。12年度と比べても1・03倍にとどまります。この間の消費税増税や物価上昇と合わせると実質減少です。大企業の利益の拡大とは対照的です。
安倍首相は「重く暗い空気は、アベノミクスによって完全に一掃することができた」といいますが、国民生活に晴れ間は見えません。むしろ日本経済の構造的ゆがみが拡大しています。
安倍政権は来年10月に10%への消費税率引き上げを狙います。一方、大企業向けには「生産性革命」などを口実に研究開発減税の拡充などを「税制改正要望」に盛り込みました。逆立ち政治が極まっています。
内部留保 企業が得た利益のうち、企業の内部に蓄積された部分のことです。狭義の内部留保である利益剰余金のほか、形を変えた利益蓄積として資本剰余金や引当金などを合計して算出し、資本金10億円以上の企業を集計しています。