2024年3月19日(火)
女性低年金 改善迫る
倉林氏「最低保障導入を」
参院予算委
日本共産党の倉林明子議員は18日の参院予算委員会で、低すぎる女性の年金の最大の要因が現役時代の賃金格差にあると指摘し、非正規雇用の無期雇用への転換を行い、最低保障年金を公的年金に導入するなど抜本的に女性の低年金を改善するよう求めました。
倉林氏は、多くの人が低年金で苦しむなか、とりわけ女性の低年金が著しく、65歳以上の単身女性の貧困率は44%だと指摘。「単身女性の増加にとどまらず、主たる生計者も増えている」として、世帯単位を前提とした制度の抜本的な見直しとともに、最低保障年金の導入を迫りました。
最低保障年金の導入を「難しい」と答弁した岸田文雄首相に対し、倉林氏は2001年と13年に国連社会権規約委員会が「最低年金を公的年金に導入する」よう勧告し、16年には同女性差別撤廃委員会が年金制度を「女性たちの最低生活水準を保障するもの」に改革するよう勧告していると指摘。「これでは世界から取り残されるばかりだ」と批判しました。
倉林氏は女性の低年金の要因に、働く女性の53%が低賃金・不安定な非正規雇用におかれるなど賃金格差があると強調。企業による男女の賃金格差の公表ルールでは、56%と最も大きな格差がある正規男性と非正規女性の賃金格差が分からないとし、「雇用形態による賃金格差も公表すべきだ」と求めました。
倉林氏は、民間と比べて大きな格差があるのが国家公務員で、さらに地方の非正規公務員112万人の7割が女性だと指摘。「物価高に負けない所得の引き上げであれば、足元の国や地方の非正規職員の思い切った賃上げ、無期雇用への転換をやるべきだ」と迫りました。岸田首相は「官民連携で公的賃上げを含め手段を講じている」と述べるにとどまりました。