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2024年4月17日(水)

入管法・技能実習法改定案

本村議員の質問

衆院本会議

 日本共産党の本村伸子議員が16日の衆院本会議で行った入管法・技能実習法の改定案についての質問の要旨は次の通りです。


 政府は、技能実習制度の目的を「技能移転」による「国際貢献」としてきましたが、実際は大企業が下請け単価などを引き下げ、抑制するもとで外国人を非熟練・低賃金の労働力として使い、深刻な人権侵害の温床となってきました。

 外国人技能実習生の失踪が相次ぎ、2022年で9006人に上ります。能登半島地震では、技能実習生を含む多くの外国人労働者が被災しました。政府は一人ひとりの実態をつかまず、受け入れ企業や監理団体まかせにしました。

 日本共産党は、人権侵害をつくる技能実習制度を廃止し、外国人を労働者として受け入れることを主張してきました。

 現行制度には原則「転籍」の自由がなく、労基法違反や暴力などを受けたときに限っていました。育成就労制度では要件を広げたのですか。新しい実習先が見つかるまで生活保障をしなければ「転籍」は絵に描いた餅になります。新たに「本人の意向による転籍」を規定していますが、当分の間、分野によって1~2年は認められず、日本語・技能要件などの制限を設けています。転籍の自由を事実上認めないものではありませんか。

 農業と漁業の分野に、派遣労働の仕組みを導入することは重大です。中間搾取や短期間での使い捨てなど、労働条件の悪化を生み出しませんか。

 育成就労外国人を支援する監理支援機関は受け入れ企業の役員兼任を排除しておらず、独立性・中立性を担保できるのですか。手数料収入に依存し、受け入れ企業から独立できない機関では、外国人労働者を守れません。

 現行の技能実習生は、多額の借金を背負い来日しています。ハローワークなど政府機関の関与が必要です。出身国で示された労働条件と違うなどの行為があった場合は摘発し、不当な手数料を根絶し、悪質なブローカーを排除するべきです。

 育成就労制度は、技能実習制度の「看板のかけ替え」です。

 重大なのは、税金や社会保険料などが未払いの場合に「永住者」資格を取り消せる制度の新設です。永住許可の取り消しは、永住者だけではなく、永住許可を申請する外国人の地位を著しく不安定にします。永住しようとする外国人労働者と家族に、終始厳しい管理・監視を続け、やむを得ない事情を考慮せず、永住許可を取り消し、日本で培った十分な生活基盤を失わせることは人道に反します。

 若い外国人が、技能実習や育成就労で日本に来て結婚することは当然あり、子どもも生まれるかもしれません。子どもの在留資格を手厚く保障するべきです。外国人を人間として受け入れる制度、ともに生きる制度に変えることを強く求めます。


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