2024年4月29日(月)
国保料値上げ自治体 6割超
6月までに決定 反対運動急務
国民健康保険を運営する全国1736自治体(東京23区や広域連合を含む)のうち、28日までに2024年度の保険料・税の改定状況が分かった580自治体を集計し、4人家族のモデル世帯で計算した結果、6割を超える362自治体が値上げしたことが判明しました。保険料率を据え置きとしたのは196自治体、値下げはわずか22自治体で、値上げが圧倒的です。
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保険料は全国で6月ごろまでに決まりますが、すでに3月議会で条例改定されるなどしています。その改定状況を日本共産党政策委員会が調べ、年収400万円の4人世帯のモデルで計算しました。
昨年同時期の集計で値上げ自治体は200程度だったため、今年度は昨年度を大きく上回る恐れがあります。値上げ幅も大きく、昨年度比で10万円以上の値上げになる自治体も出ています。図のように、未集計・未決定の自治体をすべて「据え置き」と仮定した場合でも、全自治体の保険料の単純平均値はこれまで以上の急激な値上げになっています。
値上げのテコとなっているのが、全都道府県が自治体に示した「標準保険料率」です。
実際の保険料率を標準保険料率どおりに改定した場合、4人世帯のモデルでは全体の85・8%にあたる1490自治体で値上げとなることも今回の調査で分かりました。
自公政権が国保の「都道府県化」を実施し標準保険料率の仕組みを始めた18年度以降、標準保険料率どおりだと値上げとなる自治体数が1400を超えたのは初めてで、過去最多となっています。
この試算では、「統一保険料」を実施する大阪府をはじめ、埼玉、愛知、京都など大都市を中心にした14府県で全自治体が値上げとなります。東京都も、島部の町村を除けば100%値上げです。値上げ自治体が90%以上を占めるのは26都府県で、都道府県の過半を占めています。
6月議会での条例改定を予定するなど、多くの自治体の保険料率の決定はこれからです。物価高騰で暮らしが圧迫されるなか、追い打ちをかける国保料値上げを許さない運動が重要になっています。
国民健康保険(市町村国保) 自営業者や年金生活者、非正規雇用の労働者など国民の約5人に1人にあたる2537万人(22年3月末現在)が入る公的医療保険。