2024年5月11日(土)
安心できる営農基盤こそ
食料供給困難事態対策法案 田村貴昭氏に参考人
衆院農林水産委員会は9日、輸入途絶など不測の事態に際し農業者に対する増産指示や罰則の規定を設ける食料供給困難事態対策法案について参考人質疑を行いました。
田代洋一横浜国立大名誉教授は「不測事態対策の最大のポイントは平時から食料自給率を維持強化していくことに尽きる」と強調。国の要請に応じた農業者に財政措置を講じるとしているが、平時の農業所得は確保されず、不測事態にだけ財政措置を取れば済むのかと疑問を呈し、農業所得が減少しているデータなどを示し、直接支払い政策などによる農業所得の保障が必要だと訴えました。
農林水産物の産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する「雨風太陽」の高橋博之代表取締役は「危機対応として最後の一手を打つ前に平時が非常に重要だ」と指摘。食料を輸入に依存する日本の国力が低下し、海外に買い負けているとして「国内で生産基盤を強化する以外に選択肢はない」と訴えました。
日本共産党の田村貴昭議員は、食料供給困難事態として国から指示された増産計画の提出を拒んだ農業者に罰金が科されるなどの規定をどう考えるかと質問。稲垣照哉全国農業会議所専務理事は「農業者はびっくりしているというのが実感だ」と述べ、平時から農業者が安心して農業に取り組める基盤が必要だと指摘しました。