2024年5月24日(金)
プラごみ対策迫る
再資源化事業等高度化法案 山下氏
参院環境委
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廃棄物の高度な再利用を進めようという再資源化事業等高度化法案が21日の参院環境委員会で採決され、日本共産党などの賛成多数で可決しました。
日本共産党の山下芳生議員は9日の質疑で、深刻なプラスチックごみ汚染について質問しました。山下氏は「プラスチックは紫外線などで遅かれ早かれマイクロプラスチック(MP)になる。日本近海では世界最大級の深海への沈殿が確認された。MPはさらに微細なナノプラスチックになり、人の血液からも検出されている。人間の頸(けい)動脈の隆起からも確認され、脳卒中のリスクを高めている。空気中からも確認されている」と指摘。「プラスチックが地上に残らないよう次世代に引き継ぐのがわれわれの使命だ」と迫りました。
伊藤信太郎環境相は「対策は急務」としながら、人体等への影響については「知見の収集に努める」と述べるにとどまりました。
山下氏は「環境中に流出されるプラスチックごみの中で、ペットボトルがダントツに多く、コカ・コーラなどの大企業がこれを生産している。欧州ではこうした企業に廃棄、リサイクル段階まで責任を負わせる拡大生産者責任に基づきデポジット(預かり金)制度を各国で導入するようEU(欧州連合)指令で決めている。フィンランドではペットボトルの自動回収機の設置が義務付けられている。ドイツでは繰り返し使うリターナブル容器より、使い捨て容器の預かり金が高く、排出抑制に寄与している」と指摘。「日本でもやるべきだ。大量生産、大量消費でいいのか考える必要がある」と迫りました。