2024年6月13日(木)
政策活動費を合法化
自民案 規正法を改悪
井上氏追及「非公開の拡大も」
参院政治改革特委
自民党の裏金事件を受けた政治資金規正法などの改正に向けた参院政治改革特別委員会が12日に開かれました。日本共産党の井上哲士議員は、脱法的行為である「政策活動費」を法律に書き込んで合法化し、お墨付きを与えるのが自民案だと批判し、改悪の中身をただしました。
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井上氏は、政治資金規正法は政治活動を「国民の不断の監視と批判の下」に置くために政治資金の公開を定めていると指摘。自民党が続けてきた党の役職者に渡せば使途を公開しない政策活動費を認める条文がどこにあるのかと迫りました。
自民案提出者の鈴木馨祐衆院議員は、条文を示せず、「プライバシーや公開になじまないものについてのみ政策活動費で対応している」と答弁。井上氏は、岸田文雄首相が非公開の理由に「党の戦略的運動方針が明らかになる恐れ」をあげていると示し、「それは党の都合にすぎず、非公開とすることは規正法に反する」と批判。「幹事長の場合、年間10億円もの金を党から受け取り、使途を明らかにしていない。党の役職として支出するというなら、その内容を党本部に報告し、通常と同じように公開すればいい」と迫りました。
自民案は、政策活動費の領収書や明細書などの公開は10年後としていますが、具体的な制度の内容は固まっていません。
井上氏は、政策活動費の受け手が役職者だけでなく国会議員・候補者まで広げられることで、「政治資金の非公開が拡大するのではないか」と指摘。規正法違反の時効は5年のため、10年後の公開では罪に問えないとして、「不適切な使途が明らかになった場合、10年に達する前でも情報公開請求の対象となるのか」とただしました。自民党の勝目康衆院議員は「条文上想定されていない」と否定しました。
井上氏は、10年間非公開では有権者が選挙の際に政治資金の内容を通じて判断することも不可能だと述べ、「国民の信頼回復といいながら、このような法案を強行すれば、ますます国民の不信は広がる」と批判しました。