2024年6月14日(金)
移行できない自治体増も
システム標準化 伊藤氏対応要求
参院地デジ特委
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日本共産党の伊藤岳議員は12日の参院地方創生デジタル特別委員会で、自治体情報システムの標準化について質問しました。
政府は自治体の住民サービスに関連する20業務を、国の示す仕様に合わせた標準化システムへ2025年度末を期限として移行することにしています。
「移行期限に間に合わない自治体数はどれくらいか」と質問した伊藤氏に対し、デジタル庁の楠正憲統括官は「昨年10月の調査では移行困難自治体は171団体だったが、その後、移行困難の申請をした自治体もある」と答弁。伊藤氏は「移行できない自治体はますます増えるということだ」と指摘しました。
また、伊藤氏は「官製デスマーチ(死の行進)がやってくる」との記事(日経クロステック5月7日付)を紹介。「全国の自治体は、通常の銀行でも4年はかかるようなシステム改修を、残り1年半で完遂させることを強いられている。そこに政府の定額減税や仕様変更が追い打ちをかけ、システム開発担当者らは過酷な労働を強いられている」と指摘しました。
楠統括官は、今回の業務量は自治体が通常行っている大規模システム改修より2・5倍以上に増えることを認めつつ、「デジタル庁はベンダーの労務管理をやっているわけではないので、実際にどのくらい官製デスマーチという状況があるか承知していない」と答弁しました。
伊藤氏は「『デスマーチ』という深刻・過酷な労働を強いられている状況なのに無責任な答弁だ。事態を深刻に受け止めて対応すべきだ」と強く批判しました。