2024年6月21日(金)
岸田内閣不信任決議案
宮本徹議員の賛成討論(要旨)
衆院本会議
日本共産党の宮本徹議員が20日の衆院本会議で行った岸田内閣不信任決議案の賛成討論(要旨)は次の通りです。
不信任賛成の第一の理由は、自民党ぐるみの組織的犯罪行為という前代未聞の裏金事件を引き起こしながら、岸田政権は真相を隠蔽(いんぺい)し、金権腐敗政治を温存しようとしているからです。
岸田政権と与党が強行した政治資金規正法の改悪は、肝心要の企業・団体献金の禁止、裏金の原資となった企業・団体によるパーティー券の購入禁止がすっぽり抜け落ちています。真相をこのまま闇に葬り去ろうという、反省なき自民党に政権を担う資格はありません。
第二に、物価高騰の中、国民生活に追い打ちをかけているからです。最賃引き上げも、中小企業・小規模事業者への賃上げ支援も全く不十分、非正規ワーカー処遇改善の法改正にも背を向けています。大学の授業料の値上げラッシュです。岸田内閣はあろうことか、36%が赤字経営の訪問介護の基本報酬を引き下げました。
自民党に多額の献金をする大企業には減税・補助金を大盤振る舞いしながら、国民には負担増で、社会保障を切り捨てる自民党政治が続くことは国民生活をいっそう苦しめるだけです。
第三に、米国いいなりに、国内総生産(GDP)2%への軍事費倍増、敵基地攻撃能力の保有、殺傷兵器の輸出を進め、歴代政権が憲法に基づく「平和国家」の理念としてきたことを根底から覆している戦後最悪の憲法破壊政治です。
岸田文雄首相が、中国を抑え込むアメリカの軍事戦略の一翼を積極的に担うため、米軍と自衛隊の指揮統制のかつてない連携強化に踏み込んだことは極めて重大です。先制攻撃を柱とする米国のIAMD計画に日本の主権を差し出すなど断じて許されません。
今国会、岸田政権が強行した経済秘密保護法、地方自治法改悪、食料困難対策法は、憲法と人権を無視し、経済も地方自治体も農業も、「安保3文書」に基づく戦争体制づくりに組み込むものです。軍拡競争で緊張を高め合うのではなく、絶対に戦争にしない、憲法9条を生かした平和外交こそ進めるべきです。
第四に、岸田内閣が人権を踏みにじり続けていることです。選択的夫婦別姓の早期実現を求め、経済界も大きく声を上げる状況です。岸田政権は、明治的家族観を国民に押し付ける時代錯誤の政権です。
離婚後「共同親権」を導入する改定民法は、裁判所で不本意な共同親権が強制され、立場の弱い方を追い詰め、子どもの利益が害される危険を否定できません。
税や社会保険料の滞納で永住資格を取り消しうる制度の創設は、外国人差別・排外主義に他なりません。
アメリカと財界におもねる自民党政権を退場させ、国民の暮らしに寄り添う、希望の政治を実現するため力を尽くす決意です。