2024年10月29日(火)
陸自オスプレイ全17機が飛行停止
地面に接触、機体損傷
沖縄・与那国 日米訓練中
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日米共同統合実動演習「キーン・ソード25」で陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイが27日午前11時40分ごろ、陸自与那国駐屯地(沖縄県与那国町)で、離陸直後に機体の一部が地面に接触し、損傷しました。事故を受けて陸自は全17機の飛行を見合わせました。
パイロットなどの搭乗員5人を含む計16人が搭乗し、けが人はいませんでした。同機は「防災訓練」として、米軍オスプレイとともに、住民や観光客を島外へ避難させる訓練や、負傷者を搬送する訓練を実施。米軍と自衛隊は、今後も与那国島への飛来を狙っているとみられます。
防衛省によると、与那国駐屯地でV22が離陸直後に機体が左右に揺れて姿勢が不安定になり、左翼の下部が地面と接触。機体の一部が損傷し、現在は同駐屯地内にとどまっています。27日、陸自は調査組織を設置し、原因を調査しているとしています。
目撃した男性によると、V22が午前10時すぎに駐屯地内のグラウンド付近に着陸し、11時40分ごろに離陸しようとしたが、ふらふら揺れて着陸しました。男性は「墜落すれば島民に被害が出る。いつ落ちるか分からない欠陥機の飛行に憤りを覚える」と語りました。
沖縄県の玉城デニー知事は28日、県庁で記者団の取材に「大変、遺憾極まりない」と批判しました。「キーン・ソード」でのオスプレイ使用の自粛を申し入れていたにもかかわらず、こうした事態になったと指摘。県民はオスプレイ配備反対だと述べ、「オスプレイはそもそも欠陥機で、どこでどういう状況が起こるかわからない」と強調しました。
V22は23日にも、エンジンの油圧系統の不具合を知らせるランプが点灯し、鹿児島県の海上自衛隊鹿屋基地に緊急着陸しました。デニー知事は「運用面での危険な状態にいたる一歩手前の状況が日常化しているのではないか」と警鐘を鳴らしました。