2024年10月29日(火)
主張
総選挙の結果
自民1強政治を終わらせた力
裏金政治への国民の審判が下りました。総選挙の結果、与党の自民・公明両党は合わせて過半数を下回り、2009年に民主党(当時)に政権を奪われて以来の歴史的大敗を喫しました。自民党が数の力におごり国民の声を甘く見てきたことの象徴です。今回の結果は国会を軽視し立憲主義を踏みにじってきた自民党政治そのものへの審判です。
日本共産党は、赤嶺政賢氏が小選挙区の沖縄1区で激戦を制し当選しました。比例では7議席となり前回の9議席から後退する悔しい結果となりました。ご支援いただいた方々、支持を広げていただいた方々に心から感謝いたします。
■追い詰めた「赤旗」
自民党は247から191議席へと大きく減らし、裏金候補46人中、下村博文元文科相、高木毅元党国対委員長、武田良太元総務相ら28人が落選。甘利明元幹事長など党の役職経験者や牧原秀樹法相、小里泰弘農水相の現職閣僚2人も落選しました。
自民党の裏金非公認候補を推薦した公明党は、石井啓一代表が落選。現職代表の落選は09年以来です。
自民党を追い詰め、政治的画期をなす大激動をもたらしたのは、間違いなく日本共産党の論戦と「しんぶん赤旗」です。そもそも裏金問題を暴き岸田文雄政権を退陣に追い込んだのは本紙日曜版の報道です。これなしに今日の事態はありませんでした。
さらに決定打となったのは、各メディアも指摘するように、裏金で非公認になった候補に自民党本部が政党助成金から2千万円を振り込んだことを暴いた本紙の特報です。自民党に自浄能力がないことを白日の下にさらし、自民1強政治を終わらせることに貢献しました。日本共産党の機関紙として、草の根の力で支えられている「赤旗」でこそ発揮できる役割です。
■政治変えたい願い
国民の怒りの元には、裏金政治の一方で、国民は苦しい生活を強いられていることがあります。日本を経済成長しない国、賃金の上がらない国にし、消費税増税や物価高を放置した経済無策、5年間で43兆円もの大軍拡で暮らしと平和を押しつぶす自民党政治を変えたいという国民の強い願いが、政治を前向きに動かす可能性を開きました。
今後、自民党政治に代わる政治をどうつくるか、各党に問われます。日本共産党は金の力で政治を動かす企業・団体献金の禁止を一貫して求め、いまや他の野党も主張しています。自公過半数割れを受け今後、その実現が必須です。
大幅賃上げ、労働時間短縮、社会保障の拡充、教育の無償化などもすすめなければなりません。日本共産党はそれらの公約実現に全力を挙げます。
敵基地攻撃能力の保有、武器輸出など「戦争する国づくり」を阻止し、軍事同盟強化ではなく戦争の心配のない東アジアをつくるために憲法9条にもとづく外交実現に力を尽くします。選挙での論戦は今後の国会内外での闘いに生きると確信しています。
多くの方々にご奮闘いただきながら期待に応える結果が出せなかった結果を受け止め、党内外の声に耳を傾けて要因を分析し、次の闘いにつなげる決意です。