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2024年10月31日(木)

選択的夫婦別姓へ法改正を

日本 4度目の勧告

国連女性差別撤廃委 選択議定書批准も

 【ベルリン=吉本博美】国連の女性差別撤廃委員会は29日、日本政府に対し国内のジェンダー平等に向けた取り組みを進めるよう促す総括所見を発表しました。4度目の勧告になる選択的夫婦別姓の導入に向けた法改正をはじめ、女性差別撤廃条約選択議定書の批准など幅広い分野で状況を改善するよう勧告しました。


 総括所見は、選択的夫婦別姓の導入について「いかなる措置も取られていない」と厳しく指摘。女性が結婚後も自らの姓を保持できるよう、夫婦同姓を義務付けた民法の見直しを求めました。

 個人通報制度を定めた選択議定書の批准について、「批准に向けて時間がかかりすぎだ」と批判。独立した国内人権機関の設立も勧告しました。

 男女の賃金格差は依然として大きく、女性のパートタイムや低賃金労働の割合が高いと指摘。出産や育児で職務上差別を受けていることや、女性の家事労働の負担が多いと指摘しました。女性の雇用環境の整備や間接差別を広く考慮すること、中小企業にも男女賃金格差の公表義務を広げることを求めました。

 政治分野における男女共同参画推進法の強化、立候補時の供託金減額など暫定的な措置の必要性にも触れました。女性差別を専門的に取り組む省庁がないことや、政府の女性政策における市民社会の関与が不十分とも指摘しました。

 リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)について、人工妊娠中絶薬の費用引き下げや、母体保護法を改正し配偶者同意の要件を削除するよう要求しています。

 ▽沖縄の女性に対する在日米軍兵士の性暴力防止と加害者への処罰▽性暴力の防止と被害者のための保護施設や支援体制の充実▽シングルマザーや高齢女性の貧困対策▽同性婚の法制化▽男女の固定観念の助長の防止▽所得税法56条を改正し、家族経営における女性の労働を認めること―なども求めました。

 女性差別撤廃委員会による日本報告審議は前回の2016年に続き6回目です。


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