2024年11月2日(土)
主張
各党の選挙公約
国民要求実現の大きな可能性
総選挙の結果、衆院で自民・公明両党合わせて過半数を割り、自民党政治に代わる新しい前向きな政治プロセスが始まりました。国民の要求実現の可能性が開けています。
■企業献金の禁止へ
今回の結果は、裏金問題への国民の怒りの表れです。国会には真相解明と、金の力で政治をゆがめ、裏金づくりの温床である企業・団体献金を禁止することが強く求められています。
総選挙では日本共産党、立憲民主党、日本維新の会、れいわ新選組、社民党が選挙政策に企業・団体献金の禁止を掲げています。
国民民主党の玉木雄一郎代表は総選挙後、「企業献金が悪で個人献金が善だというのは必ずしも当てはまらない」と語っていますが、1月の会見では「すべての党が合意して廃止すべきということであれば、われわれも廃止すべきという立場なので、こうした合意を得られるようにしていきたい」とのべています。
前述の5党(204議席)と国民民主の獲得議席は232と自公の215を上回ります。先の通常国会には日本共産党はじめ他党からも企業・団体献金禁止法案が提出されました。
こうした力関係のなか次の国会で企業・団体献金禁止の法制化は必須です。国民の玉木氏は「政策ごとによいものには協力し駄目なものには駄目だと言う」(10月29日)とのべています。同党には企業・団体献金禁止に賛成するのかどうかが鋭く問われます。
高すぎる日本の高等教育(大学・専門学校など)の学費を引き下げ、無償化することは若者や子育て世代の切実な願いです。
■学費値上げ中止を
この問題では、自民党自身が公約に「高等教育の無償化を大胆に進めます」と掲げ、公明党も「2030年代の大学等の無償化をめざす」とします。共産、立民、れいわ、社民各党が無償化を進めるとし、維新は「大学・大学院などの改革と合わせて」という条件付きで無償化をめざすとします。国民民主だけが「高校までの教育の無償化」にとどめています。
政府は直ちに大学の学費無償化に向けて踏み出し、緊急の問題である来年度の大学の学費値上げは中止するよう手当てすべきです。ほとんどの政党が学費無償化を訴えるなかで、値上げを中止させるのは当然の政治の責任です。急務であり十分に実現可能です。
選択的夫婦別姓制度については世論調査で賛成が7割と反対の2割を大きく上回っています(「朝日」7月実施)。国連女性差別撤廃委員会からも4度目の実施勧告を受け、いまや財界からも要望されています。
総選挙では、共産、立民、国民、れいわ、社民、公明の各党が公約に導入を掲げ合わせて218議席、自民党の191議席を超えます。「毎日」のアンケートによれば当選者の65%が制度に賛成しています。
健康保険証の廃止では、共産、れいわ、社民各党が廃止反対を公約し、立民は廃止延期を掲げています。任意であるマイナンバーカードの取得を事実上強制する保険証の廃止に道理はなく、中止すべきです。
新たな政治状況の下、おおいに声をあげ、要求を実現していきましょう。