2024年11月10日(日)
主張
特別国会あす開会
始まった新しい政治プロセス
総選挙を受けた特別国会があす召集されます。会期は4日間で、初日に首相の指名選挙が行われます。
総選挙で自民・公明の与党は、衆院で過半数割れという歴史的な大敗を喫しました。さらに、自公と日本維新の会、国民民主党などすべての改憲勢力を合わせた議席が、改憲発議に必要な衆院の3分の2を下回りました。
■自民1強崩れる
2012年発足の安倍晋三政権以来の「自民1強」体制は崩れ、野党が一致して反対すれば予算案や法律案などを通せなくなりました。予算が通らなければ政権は行き詰まり、総辞職か衆院解散に追い込まれることになります。内閣不信任決議案の可決も可能で、そうなった場合も内閣は総辞職か衆院を解散しなければなりません。
自公の反対で妨げられてきた国民要求の実現も道が開けます。
これまで自公は、違憲の集団的自衛権行使の容認や「安保3文書」を国民や国会にも諮らず一方的に閣議決定し、安保法制などの悪法を「数の力」で強行採決してきました。しかし、自公だけの協議で決めた結果を国会にそのまま押し付け、国会での審議を軽視・形骸化してきた強権政治はもはや通用しなくなります。
これまでの自民党政治に代わる新しい政治を模索・探求する「政治プロセス」が既に動きだしています。それは、特別国会をめぐる与野党の協議にも表れています。
協議では自民党が特別国会の会期を4日間と提案したのに対し、野党側は予算委員会や、裏金問題を受けた政治倫理審査会の開催など十分な日数確保を求めました。その結果、特別国会の会期は4日間とするものの、早期に臨時国会を召集し、新しい内閣の基本姿勢を正す予算委員会などを開くことで合意しました。
具体的には、臨時国会で補正予算案の審議に入る前に首相の所信表明演説と各党代表質問、首相をはじめ全大臣が出席する予算委での基本的質疑と各委員会での大臣に対する質疑、政治倫理審査会を行うことを確認しました。
衆院の人事でも、17ある常任委員会の委員長のうち、予算委員長など七つを野党に配分。予算委は予算案の審理をはじめ国政全般について審議する委員会で、委員長は重要な役割を果たします。
■国民の声が動かす
国民が声を上げ、政治を動かす時です。
▽裏金問題の全容解明と企業・団体献金を全面禁止する法改正▽選択的夫婦別姓制度の実現▽紙の健康保険証の新規発行停止方針の凍結▽大学学費の値上げ阻止▽軍事費に5年間で43兆円をつぎ込むための大軍拡増税のストップ―などは喫緊の重要課題です。
国会の審議を充実し、政党間の協議や合意形成のプロセスを国民に見えるようにすることが必要です。そこでは各党が国民の声に真摯(しんし)に応えようとしているのかどうかが問われます。
たたかいを大きく広げ、自公の巻き返しを許さず、国民の願いを実現しましょう。日本共産党は、総選挙で掲げた公約の実現を目指し、新たな「政治プロセス」を前進させるために力を尽くします。