2024年11月13日(水)
主張
第2次石破政権発足
政治の本格的転換へ力尽くす
自公が衆院で過半数割れする下、第2次石破茂政権が発足しました。当面、自公政権が継続することになります。しかし、政治情勢は極めて流動的です。
総選挙で示された、自民党政治に代わる新しい政治を求める国民の思いにこたえるのか、自民党政治の延命に手を貸すのか、各党に問われます。国民の期待に背けば新たな審判が下らざるをえない激動の情勢、政治の本格的転換につなげうる情勢が広がっています。
■深刻な行き詰まり
自民党の政治モラルの劣化は、2009年に自民党が政権を失った時と比べても深刻です。森友・加計学園問題や「桜を見る会」に見られる政治の私物化、安保法制強行に典型的な、立憲主義を無視した強権政治、統一協会との癒着、使途不明の裏金の問題―。
政策でも、財界最優先、米国言いなりの二つのゆがみから抜けられないため、それが招いた日本経済の停滞、国民の暮らしの困難、農村や地方の疲弊を解決できず、軍事一辺倒でまともな外交政策を持てません。
さかのぼれば、1980年代末から、リクルート事件など金権腐敗事件が相次ぎました。国民の怒りで93年、自民党は55年の結党以来、実質的に保ってきた単独政権を維持できなくなりました。しかし94年、当時の「非自民・非共産」連立政権と談合し、企業・団体献金禁止を求める声をすり替えるニセ「政治改革」で小選挙区制が導入されました。
民意を正しく反映しない小選挙区制に助けられ、この間、自民党は多数を保ってきましたが、かつて20%を超えた国政選挙の絶対得票率は今回総選挙では14%です。虚構の多数におごった政治の結果が、今回の衆院過半数割れです。政治史の流れを見れば、自民党は衰退し、日本の針路を示せず行き詰まっています。
■民意にそった政治
国民が、行き詰まった自民党政治の打開方向を模索するなか、国民の要求と運動で政治が動く可能性が大きく開けています。一部の野党が国民に見えないところで自民党と談合することは許されず、自公政権の補完勢力と見透かされれば、信頼を失うでしょう。
日本共産党は、選挙で示された「自公政権ノー」「裏金問題の真相解明と企業・団体献金禁止」の民意にこたえるため、首相指名の決選投票で立憲民主党の野田佳彦代表に投票しました。
石破首相は11日、政権発足後の会見で「自民党は今度こそあるべき国民政党として生まれ変わらなければならない」とのべました。ところが、その言葉に反して、政治家への捜査に影響を及ぼしうる立場の法相に、裏金議員の鈴木馨祐(けいすけ)氏を任命しました。
また、本紙日曜版(10日号)は総選挙中の首相のウソを明らかにしています。石破首相や自民党は、裏金非公認候補に2千万円を支給したことを「選挙のためではない」「党勢拡大のため政党支部に出している」と弁明しましたが、自民党候補を立てない支部には支給していませんでした。首相の言い訳は通用しません。首相は説明すべきです。
日本共産党は、二つのゆがみをただし、国民の切実な要求にこたえる政治の実現に向け、政治を前に動かすため力を尽くします。