2024年11月20日(水)
石破首相、軍拡・原発株 多数保有
三菱重工・東電など 問われる推進路線
石破茂首相が三菱重工業や東京電力、関西電力などの軍拡・原発銘柄の株式を多数保有していることがわかりました。軍拡・原発再稼働をめぐる石破首相の態度が問われます。
石破首相が2022年に衆院に提出した資産等報告書によると、同首相の保有株式は次の通りです。
三菱重工業1062株、川崎重工業500株、東京電力ホールディングス4813株、関西電力2150株、日本製鉄2791株、JFEホールディングス600株、東急2451株の7銘柄です。18日の終値で試算すると、総額2700万円を超えます。
三菱重工も川重も日本の軍事企業のトップメーカーです。防衛省の契約実績(23年度)によると、三菱重工が1位、川重が2位となっています。
特に三菱重工の契約金額(同)は1兆6803億円と、2位の川重の3886億円を大きく引き離しています。
両社の株主の石破首相は、自民党総裁選で軍拡増税について「増税をやらなくてもいいという理屈にはなかなかならない」とのべるなど、軍拡推進を隠しません。
東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県)をめぐっては、岸田文雄前内閣が9月、再稼働に向けた閣僚会議を開催。岸田前首相は「再稼働への理解が進むよう関係閣僚で緊密に連携」などと述べていました。
関西電力も大飯原発3、4号機(福井県)が運転開始から40年までの稼働が6月に認可されるなど、岸田内閣が道筋をつけた老朽原発再稼働が狙われています。
石破首相は、総裁選では「原発ゼロに近づける努力を最大限する」と述べていました。ところが、首相に就任するとインタビューで「原発ゼロが自己目的ではない」と、総裁選のそのトーンは一気にしぼみました。
保有する銘柄から見ても、岸田内閣が進めてきた大軍拡と原発再稼働路線の転換を期待できそうにはありません。
三菱重工の株価は1株2331・5円(18日終値)で、川重は6245円(同)、東電は584・4円(同)、関電は1972円(同)となっており、4銘柄だけで1200万円を超えます。(矢野昌弘)