2024年11月20日(水)
紛争解決へ国際法順守を
G20首脳宣言 ガザなどの状況懸念
ブラジルのリオデジャネイロで開かれている20カ国・地域(G20)首脳会議は18日、世界で続く紛争や戦争に懸念を表明し、国連憲章や国際法の順守を重視した解決方向を強調する首脳宣言を発表しました。
宣言は、「国連安保理・総会の決議を再確認」した上で、「全ての国は領土取得を追求するための武力の威嚇・行使を慎まなければならない」と述べて、紛争解決のために国際法や国際人道法の順守を強調。ガザ地区を攻撃するイスラエルやウクライナを侵略するロシアを名指しでは批判していませんが、民間人やインフラへの攻撃を非難しています。
ガザを巡る事態について、宣言は、破滅的な人道状況に懸念を表明し、人道支援の搬入拡大、民間人保護の必要性を指摘。パレスチナの民族自決権を再確認し、パレスチナ・イスラエルの2国家共存解決、国連安保理決議に沿った包括的な停戦を支持するとしています。
ウクライナ戦争について、宣言は、この戦争がもたらす人道的な苦しみや世界の食料・エネルギー安全保障への悪影響に触れて特別の懸念を表明。「国連憲章の全ての目的と原則を擁護し」、「包括的で公正な永続的平和を支持する全ての適切で建設的なイニシアチブを歓迎する」と述べています。
また、宣言は気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」について「長期目標達成に向けた努力で結束を続ける決意」を示しています。
首脳会議は18日、ブラジルが提案していた、2030年までに飢餓に苦しむ人々をなくす「飢えと貧困に対抗するグローバル同盟」の結成を公式に宣言し、全ての国に参加を呼び掛けました。