2024年11月21日(木)
きょうの潮流
米大統領選でトランプ前大統領が勝利し民主党内では敗因をめぐる議論が続いています。進歩派のサンダース上院議員は「労働者階級を見捨てた民主党が、労働者階級に見捨てられるのは当然だ」と発言しました▼同氏は、こう論じます。民主党を支配している巨額献金者や高給取りのコンサルタントには国民の痛みや政治的な疎外感を理解できないだろう、と▼民主党のハリス候補は選挙中、収入100万ドル(約1・5億円)以上の富裕層に向け、長期保有株の売却益の税率を28%に抑える、と公約。より高い税率を検討していたバイデン氏よりも自分の方が財界寄りだとアピールしました▼ハリス氏が経済政策で頼ったのは、配車サービス大手ウーバーの幹部となっている妹の夫や、ウォール街やシリコンバレーの巨額献金者からの助言だったとの米紙の報道も▼770万回も読まれた民主党マーフィー上院議員のXの投稿はこう振り返りました。「われわれはMAGA(トランプ氏のスローガン『メイク・アメリカ・グレート・アゲイン』の略称)を燃え上がらせた危機に無頓着だった」「50年間の新自由主義による破壊にきちんと取り組んでこなかった」「孤独、無力、途方に暮れる人々の感情を素通りしてきた」▼一方トランプ氏勝利について英経済紙は「抗議票が新しい多数派になった」と論評しました。大企業・大富豪に金を流し込む点では従来通りになりそうだとも指摘し、「支持の高さを勝ち誇るのは早計だ」とくぎを刺しています。