2024年11月21日(木)
JERA相場操縦
1日の利益 最大1億円
監視委 岩渕議員聞き取りで判明
火力発電
東京電力グループと中部電力が折半出資する国内最大の発電会社JERAによる相場操縦の事件で、相場操縦による同社の利益が最大で1日1億円に上ったことが20日、わかりました。取引価格の上昇分は全体で約40億円に上りました。日本共産党の岩渕友参院議員が経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会に聞き取りを行い、同委が明らかにしました。
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電力大手がその市場支配力で巨額のもうけをあげていた実態が浮き彫りになりました。
聞き取りで、同委は再生可能エネルギーに取り組む新電力が「高値で取引させられていた可能性は否定できない」と言及。12月12日を提出期限として同委がJERAに勧告した再発防止策が実践されない場合、経産相が罰則を科すこともあり得るとしました。
相場操縦は金融市場ならば刑事罰になる場合もある重大行為です。岩渕氏から認識を問われた同省資源エネルギー庁の担当者は「適当な事案ではない」と述べるにとどめました。
2020年12月から21年1月に発生した取引価格の「異常高騰」の問題では、当時の経産相が国会での岩渕氏の質問に対して小売事業者の損害分の「還元」もあり得るとの認識を示していました。
岩渕氏は同答弁をあげて「当然、還元を考えるべきだ」と指摘。JERAの相場操縦は、公正な電力市場のルール確立に真っ向から反するとして「国の徹底解明と厳しい対応が求められる」と強調しました。
JERAは国のルールで需要を超えて発電した「余剰電力」の全量を卸市場に供出(入札)することになっています。しかし同社は東京電力から火力発電事業を継承した19年4月から23年10月まで継続的に余剰電力を入札せず、意図的に取引価格を上昇させていたことが同委の調査でわかりました。