日本共産党

2009年11月19日(木)「しんぶん赤旗」

長野 木曽町長選 田中氏が再選

合併後も町が元気に



 長野県の木曽町長選が15日に投開票され、日本共産党員で現職の田中勝己氏(72)が大差で再選されました。4町村合併後、初代町長としての実績が住民から高く評価され、さらに輝く町へと発展を求める期待が高まっています。(高橋 拓丸)


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(写真)町内どこでも200円で行ける新交通システム。左から乗り合いタクシー、基幹バス、循環バス

200円バスは通院便利 70歳の女性

娘の医療費が無料化 47歳の男性

公平に進めてくれる 自民支持者

 木曽の山ひだを縫うように走る宣伝カー。標高1200メートルの開田高原で、寒風に落葉が舞うなか、お年寄りたちが田中候補に駆け寄り、握手を求めます。

 足を悪くして病院に通っていた中田あさ子さん(70)は町内どこでも1回200円で行けるバスシステムの実現を喜びます。「片道約1200円かかっていたバス代が、今は1カ月定期800円。おかげで足もすっかりよくなりました」

 中山道宿場町の面影を残す木曽福島で、田中候補を励ましにきた根岸弘さん(47)。「娘が中学生のころ、田中さんが実現した中学生までの医療費無料化に大いに助けられました」。18歳まで無料化という公約に期待を寄せます。

 木曽町でも住民の暮らしは大変です。町長選と同時に行われた町議選(定数18)で、日本共産党は議席を1から2に伸ばしましたが、事前の党支部による町民アンケートで80%の町民が「暮らし向きが苦しくなった」と答えました。選挙中、地元紙の調査でも、力をいれてほしい政策として「福祉の充実」という回答が半数を超え第1位でした。

 田中町長は、合併した木曽町を町民を大切にする町にと、新バスシステムの実現をはじめ、中学生までと障害者の医療費無料化、健康診断や妊婦健診の公費負担を拡充してきました。

地域重視ユニーク条例

 田中町政は新しい発想で地域を大切にする町づくりをすすめてきました。

 全国でもユニークな「町づくり条例」を制定し、旧4町村ごとに地域協議会をつくりました。その代表者たちで町の政策諮問会議を構成し、町長提案の重要議案や予算案を議会前に審査します。「住民の手で町をきずく」制度です。

 合併すると、旧自治体役場=支所がさびれる例が多いなか、逆に木曽町は「元気な町へ」と、町民・地域と力をあわせ次々と新しい事業に挑戦。木曽福島の中心市街地活性化事業は、国から全国のモデル事業と評価されました。開田高原の「日本でもっとも美しい村」連合加盟、農産物の認証制度とブランド化、伝統的食文化・発酵食品「すんき」の全国発信、スローフード運動の立ち上げ―。

支持者は党派を超えて

 こうした施策を、町民・地域とともに「命がけでとりくむ」田中町長の人柄も、党派を超えて幅広い町民の支持を広げました。

 自民党支持者という亀子昭弘さん(81)は、「田中さんは住民の声を聞いて、公平にものごとを進めてくれる人です。難しい合併をうまくまとめ、全国からもほめられる町づくりをしています」。

 選挙で相手陣営は、田中町政の実績を批判できず、自らの具体的政策も語れず、旧町時代からの「多選」を批判し「偏った思想によって町がよどんでいる」などと、反田中・反共攻撃をしました。

 田中陣営は、政策と事実を示して徹底的に宣伝し、相手のいわれない攻撃をはねかえしました。町民からも「悪口だけをいう人は町長にふさわしくない」「多選といっても合併後はまだ1期。1期ではもったいない」と、相手陣営への批判の声があがりました。

 田中町長は、「町の条件を活(い)かして新しい産業をおこすなど若者が残れるまちづくり」や「子どもや子育て中の母親の居場所づくり」、街なかの再生の事業など、町民の声を聞き実現していくことを約束しています。


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