広がる貧困と格差、際限のない負担増…。国民のくらしはますます大変になるばかり。
日本はこの先どうすすむべきなのか? どのように政治を変えたらいいのか?
その答えは日本国憲法にあります。
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すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。(2)賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
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働く人の3人に1人が非正規。加えて、相次ぐ「派遣切り」で、08年10月からの失業者は20万人を超えている。働きたくても職場がない現実。でも、憲法では、「働く」ことは、「すべての国民の権利」だとはっきり書いている。安定した雇用を確保することは国の責任。
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モノ扱いやめさせよう
「現代の無数のサラリーマンたちはあらゆる意味で奴隷的である。金にかわれている。時間で縛られている。上司にさからえない…。肉体労働の奴隷たちはそれでも家族と食事する時間がもてたはずなのに」(43歳で過労死した広告ディレクター『仕事が終わらない』新日本出版社)
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何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。
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長時間・過密労働、モノのように使い捨てにされる派遣労働者…。現代の「蟹工船」といわれるいまの働かされ方。憲法は「いかなる奴隷的拘束」も禁止している。モノ扱い、奴隷扱いをやめさせよう。
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すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
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女性の賃金は男性の6割台、女性管理職は1割未満…。女性の職場での待遇や地位は、男性に比べて低いのが現実。でも、憲法には、性で差別してはいけないことをはっきり書いている。女性だから「給料が低い」「出世できない」というのは、明確な憲法違反。
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すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
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「学費が高く進学をあきらめた」「退学においこまれた」といった話があとをたたない。ところが憲法では、「すべての国民」に「ひとしく教育を受ける権利」を保障している。お金のあるなしで、大学にいける、いけないなんてことは、本来あってはならない話。
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すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。(2)国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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すべての国民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障し、国の責任で「社会保障の増進」をすすめることを明記した憲法。貧困と格差の広がりが日本社会の深刻な問題になっているが、その解決は「自己責任」ではなく、社会の責任で行うというのが憲法の理念。
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労働者の団結を保障
滋賀労働局に直接雇用の指導をと申告する日本電気硝子の労働者ら=3月11日、大津市
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勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
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偽装請負や偽装派遣など、違法に働かせられたあげくに「派遣切り」…。いまこんな目にあった労働者たちが労働組合に入って、解雇を撤回させたり、直接雇用をかちとるなどのたたかいをおこなっている。労働者が団結し、労働組合が会社と交渉することは、憲法で保障された権利。だれに遠慮することなく、行使しよう。
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世界でも異常な、「ルールなき資本主義」といわれている日本。でも、もともとは、世界の中でも、最も人間の権利を大切にする憲法をもっている国です。こうなってしまったのは、自民・公明政治が、憲法に背を向けて、大企業の利益を最優先に、国民のくらしを犠牲にしてきたから。いまこそ、憲法の価値を活かせるように、政治が力をつくすときです。
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